部下に「査定はB」と告げる方法
社内でも、人事評価の場面で、厳しい回答を出さざるをえない場合があります。「君は会社の期待に応えていない。もっと頑張って欲しい」と叱咤激励するとき、そのままの言葉を告げてしまっては、反発を買うだけです。
これは私の経験ですが、「自分は頑張ったからA評価に違いない」と自己評価を高めに振ってくる部下に対し、やる気を損なわないよう「確かに頑張ったが評価はBだ」と告げなければならない場面がありました。
その時は、部下の先制攻撃を受けて、「そういえば最近、何か仕事に関係する本は読んだかい?」と世間話を振り、部下の読書に対する話に耳を傾けました。
ときには「それは大したものだね」と感嘆の態度を示して、話題をさらに深めます。そして、ある程度打ち解けたところで、
「自己研鑽する姿勢は大したものだ。ぜひとも継続して欲しい。やる気も認める。ただ、インプットの成果がまだ形として出ているとはいえない。特に○○の分野だ。したがって今回の評価はBだが、今後も頑張って欲しい」
と告げたのです。
Aを期待していた部下はガッカリしたようですが、「そうですか、では次は頑張ります」と受け入れてくれました。彼の自己評価に対して、いきなり「Aはないよ。査定はB。君は甘い」なんて告げたら、誰でもやる気を喪失します。
他にも言いにくいことを告げなくてはならない場面は、いろいろあります。同僚に「指導が厳しすぎる」と指摘するときや、相手が特に傷つきやすいタイプであるときなどでも、逃げずに言うべきことは言い、そのかわり言い方には工夫しましょう。(高城幸司)