厳しいことを言い渡すときの「世間話」の使い方

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部下に「査定はB」と告げる方法

   社内でも、人事評価の場面で、厳しい回答を出さざるをえない場合があります。「君は会社の期待に応えていない。もっと頑張って欲しい」と叱咤激励するとき、そのままの言葉を告げてしまっては、反発を買うだけです。

   これは私の経験ですが、「自分は頑張ったからA評価に違いない」と自己評価を高めに振ってくる部下に対し、やる気を損なわないよう「確かに頑張ったが評価はBだ」と告げなければならない場面がありました。

   その時は、部下の先制攻撃を受けて、「そういえば最近、何か仕事に関係する本は読んだかい?」と世間話を振り、部下の読書に対する話に耳を傾けました。

   ときには「それは大したものだね」と感嘆の態度を示して、話題をさらに深めます。そして、ある程度打ち解けたところで、

「自己研鑽する姿勢は大したものだ。ぜひとも継続して欲しい。やる気も認める。ただ、インプットの成果がまだ形として出ているとはいえない。特に○○の分野だ。したがって今回の評価はBだが、今後も頑張って欲しい」

と告げたのです。

   Aを期待していた部下はガッカリしたようですが、「そうですか、では次は頑張ります」と受け入れてくれました。彼の自己評価に対して、いきなり「Aはないよ。査定はB。君は甘い」なんて告げたら、誰でもやる気を喪失します。

   他にも言いにくいことを告げなくてはならない場面は、いろいろあります。同僚に「指導が厳しすぎる」と指摘するときや、相手が特に傷つきやすいタイプであるときなどでも、逃げずに言うべきことは言い、そのかわり言い方には工夫しましょう。(高城幸司)

高城幸司(たかぎ・こうじ)
1964年生まれ。リクルートに入社し、通信・ネット関連の営業で6年間トップセールス賞を受賞。その後、日本初の独立起業専門誌「アントレ」を創刊、編集長を務める。2005年に「マネジメント強化を支援する企業」セレブレインの代表取締役社長に就任。近著に『ダメ部下を再生させる上司の技術』(マガジンハウス)、『稼げる人、稼げない人』(PHP新書)。
「高城幸司の社長ブログ」
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