厳しいことを言い渡すときの「世間話」の使い方

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   ビジネスでは相手に言いにくい、厳しいことを言い渡さなければならないときがあります。相手から恨まれたくないと思っても、ハッキリ伝えないと悪影響が出ますので、これは仕方のないことです。

   単刀直入に言い渡す方法もありますが、それではわざわざトラブルを招くようなもの。モノは言いよう、という言葉もあります。そこで「世間話」を挟む方法についてご紹介しましょう。

クッションを挟んで「理由」をほのめかす

言いにくいことを言うコツがある
言いにくいことを言うコツがある

   例えば、長期間にわたって提案してもらった商談にもかかわらず、営業にお断りの返事をしなければならなくなったとします。その時に、いきなり、

「これまでの話はなかったことに…」

と切り出しては、相手もショックですし、失礼に当たります。

   「ふざけないでください!」と感情的になって食ってかかってきて、その後の説明も聞いてもらえなくなると収拾がつかないトラブルになりかねません。

   そこで、なぜそういう判断をしたのか、ということについての「理由」や「根拠」「背景」をほのめかす話題を選び、クッションの話題とすることが考えられます。

   予算縮小に伴い、プロジェクトの立ち上げが延期になった場合、

「先日の大手電機メーカーの巨額赤字の記事、ご覧になりました?」

と切り出し、相手が「ええ、見ました」と答えたことを確認してから、それによって自社への発注が減ることが予想され、全社的なコストカットが掲げられたことを説明します。

   そして、事業計画の優先順位づけが変わって、プロジェクトにも影響が出てしまったことを告げるわけです。相手は大いにガッカリするでしょうが、最初に「ええ」と返事した流れで説明されてしまった手前、納得せざるを得なくなります。これがいきなり、

「これは決定事項ですからね。もう変更できません」

と通告されれば、「こんな失礼なところには、もう頼まれたって仕事しない!」と反発が強くなってしまうのは当然です。

   「理由」には、複雑な要因が絡みあっていることもあるでしょう。理不尽なものもあるかもしれません。しかし重要なことは相手に納得してもらうことですから、もっとも重要でわかりやすいロジックを選ぶことがポイントです。

高城幸司(たかぎ・こうじ)
1964年生まれ。リクルートに入社し、通信・ネット関連の営業で6年間トップセールス賞を受賞。その後、日本初の独立起業専門誌「アントレ」を創刊、編集長を務める。2005年に「マネジメント強化を支援する企業」セレブレインの代表取締役社長に就任。近著に『ダメ部下を再生させる上司の技術』(マガジンハウス)、『稼げる人、稼げない人』(PHP新書)。
「高城幸司の社長ブログ」
株式会社セレブレイン
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