臨床心理士・尾崎健一の視点
もはや「おせっかい」ではない。会社が支援する意義はある
独身であることのメリットとして、「自由で気楽」「経済的余裕」があげられます。現代は、そのメリットを享受できる場面は確かに多いでしょう。その一方で、首都圏の中高年独身者(35~54歳)を対象とした生命保険文化センターの調査によると、独身であることのデメリットとして「将来が不安」「生活が不規則」「一人前と見なされない」「健康管理が難しい」という回答が上位になっています。結婚することで生活の基盤と責任が生まれ、職場への定着率が高まったり、会社への貢献度が上がるという事例もあります。
これらの点は仕事への影響も大きいので、社員個人の問題として放置するのではなく経営的な視点で考える会社もあり、実際に婚活支援を行うところもあります。結婚は社員の生活の質とともに、会社の生産性向上に役立つという意義を踏まえて考えるべきでしょう。会社にとって費用負担が重い場合には、一部個人負担とすれば、本人の本気度も増してさらによいのではないでしょうか。