英国人を対象とした調査によると、調査対象の52%が同僚や上司、友人への「復讐」を企てたことがあるという。そのほとんどが、フェイスブックやツイッターなどのSNSを復讐の手段に用いるという答えだった。
この調査結果は、AFPが配信したもの。専門家は、これまで怒りの感情は「自分の中に押さえ込む」「密かに呪いの言葉を吐く」「空想の中で復讐する」といった行為にとどまってきたが、SNSの出現で相手と顔を合わせることなく、中傷の言葉を打つだけで復讐が完了するようになったとコメントしている。
非公開だからこそ効果があがる中傷もある
記事は「オンライン技術によって復讐が容認される度合いが高まっているならば、急速にネットワーク化が進む世界の行く末は恐ろしい」と締めくくっている。
ただし記事からは、何に対してどう復讐するのかは具体的によく分からない。もしも一方的な妬みや怨みによるものならば、それは復讐というより八つ当たりや嫌がらせと呼ぶべきだろう。
この調査結果を知った日本のネットでは、フェイスブックを手段とすることへの疑問の声も見られる。
「フェイスブックは実名入りだろ。復讐できるのか?」
「(匿名で書ける)2ちゃんねるの間違いじゃないか」
実名登録が原則のフェイスブックでは、情報は基本的に「友達」の範囲内で共有され、匿名掲示板や匿名アカウントのブログ、ツイッターよりも誹謗中傷が拡散しにくい。
しかし、非公開だからこそ効果が上がる側面もある。閉じたコミュニティで行われている誹謗中傷は、被害者に気づかれずに進めることができる。修正が効かないので、噂がエスカレートするおそれもある。
また、数千人の「友達」を擁する有名人であれば、巧みに中傷をほのめかす書き込みをすれば、他人を簡単に陥れることも可能だろう。
2ショット写真を無断でアップされてしまった
フェイスブックの機能を悪用した方法も考えられそうだ。都内に勤務する30代男性のAさんは、後輩の女性から「恐ろしい攻撃(?)」を受けたという。
部の懇親会で、いつの間にか後輩との2ショット写真を撮影され、フェイスブックに無断でアップされたというのだ。
それも、タグにAさんの名前を入れたものだから、Aさんのタイムラインに2ショット写真が強制的に表示され、Aさんの友達にも「披露」されてしまった。
幸い、早めに気づいたAさんがタイムラインから削除し、他人が投稿した写真が自動表示されないように設定を変更した。しかし、後輩の友達には広く知られ、共通の友達からは冷やかされてしまった。
「その後輩は、僕が別の同僚の女性と付き合っているのを知っていたはず。フェイスブックに写真を勝手に上げてはいけないのは常識だと思うのですが…。仕様を知らずにやったと信じたいけど、もし嫌がらせや何かの逆恨みだったら怖いですね」