騙されて才能を開花させるのもアリ?
ある消費者金融では、入社してすぐに新入社員を研修所に送って泊まり込みで合宿を行い、3週間かけて徹底して貸金業の心構えを叩き込むそうです。
その徹底した教育はお金を貸すことや督促をすることへの抵抗を消して、研修を終えた新入社員は督促でも貸付でもどんな部署に配属されても全く辞めないのだそうです。ただ合宿中に耐えかねて脱落する新入社員はいるらしいのですが……。
一方、私の会社のように、あんまり研修らしい研修を行わずいきなり現場に入れてしまう会社もあります。ここでは見よう見まねで仕事を覚えなければならないので苦労はしますが、自分で苦しんで解決方法を模索するので、思ってもみない成長をすることができます。
私は会社に入るまで人と話すことが苦手で、初対面の人と全くうまく話せないようなコミュニケーション能力が最低レベルの人間だったのですが、一日中、人としゃべり続けるコールセンターでの荒療治のおかげで、今ではなんとか人並みに話をすることができるようになりました。この点だけは、コールセンターに死ぬほど感謝しています。
最初に選別して残った、ある程度タフな社員を残すほうがいいのか、次第に振い落としながら鍛えていくほうがいいのかは、判断に迷うところです。でも一つだけ言いたいのは、配属された部署に行って「騙された!」と思うこともあるかもしれないけど、騙されてみるのもある意味いいんじゃないかなぁということです。
毎年新人さんの中には、「この子、督促大丈夫かな?」と思うようなコもいるのですが、続けるうちにものすごい才能を開花させてしまうコもいます。思わぬ部署に配属されるのも、意外な化学反応が起こるかもしれませんよ? だからほんとに、突然辞めないで新人さん……(涙)。(N本=えぬもと)