「もう督促なんて嫌だー!!」 入社ひと月半で退職する女子社員出現

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   今年もコールセンターに、新卒で入社した数人の新入社員が配属されました。けれど残念ながら、毎年ゴールデンウィークを過ぎてこのくらいの季節になると、

「こんな仕事するなんて聞いてない!」
「もう耐えられません!」

と言ってコールセンターを去っていってしまう新人さんが出てきます。

   今年もつい先日、一人の女子社員が「もう督促なんて嫌だー!!」と突然退職してしまいました。

なんで配属先でこんなにも仕事が違うのか

このくらいの季節になると毎年…。(イラスト:N本)
このくらいの季節になると毎年…。(イラスト:N本)

   実は私も、クレジットカード会社に就職が決まった時は、まさかいきなり督促の部署に配属されるなんて想像もしておらず、「支店に配属されてカードの営業でもするのかな~」なんて、のほほんと考えていました。

   新卒向けの説明会に来ていたのは、華やかにスーツを着こなしてバリバリと営業をしている支店や本社の先輩ばかり。就活中の学生向けのパンフレットには「債権回収」の文字なんてまったく出てきません。

   ところがいざ入社してみると、配属されたのは支払いを延滞しているお客さまに一日中電話で「ご入金をお願します」と案内をするコールセンター。仕事内容は、言ってしまえば借金の取り立てです。

「だ、だまされたー!」

   入社前とはあまりに違う仕事の印象に、コールセンターに配属された同期全員が心の中でこう叫んでしまいました。その上、コールセンターは業務内容もエグイですが、就業環境もキツいことでも社内で有名でした。

   新入社員の配属とは恐ろしいものです。会社の采配ひとつで、ある新入社員は朝7時に出社して午後9時まで、土日も祝日も関係なくお客様に督促電話をかける仕事に就きます。クレーム対応や事務作業が夜中まで続くことも珍しくありません。

   ところが、別の新入社員は朝9時に出社して18時ぴったりに仕事が終わり、土日祝日はお休みで、一日中机に向かって事務をするような仕事に就いたりもします。新入社員からしてみれば、「なんて自分だけ!?」「やってらんねーよ!」って思うのも無理ないですよね。

債権回収OL・N本(えぬもと)
某金融機関で債権回収部門に所属する20代OL。コールセンターで支払延滞顧客への督促を担当している。入社半年で3億円の回収を達成して頭角を現し、10万件の顧客を担当する精鋭チームに最年少で配属された実績を持つ。他人に強く言えない気弱な性格を逆手にとり、独自の「交渉メソッド」を開発。300人のオペレーターを指導しながら、年間2000億円の債権回収に奮闘している。好きなものは、ビールとスイカ。ブログ「督促(トクソク)OLの回収4コマブログ」。(本コラムは当事者のプライバシー保護のため、一部事実と変えている点があります。)
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