「他人は他人」が増えるのは悪いことではない
筆者は86年生まれのハチロク世代なので、特集でいうところの「氷河期後期」と「ゆとり」の狭間にいることになる。確かに学生のころからネットにどっぷりで、人とのつながりをとても意識するというところは当たっている。
なので、他の世代の人たちから「なんでスマホばっかりいじってるの?」と言われても、そうかなと思うが、何がおかしいのかはよく分からない。
「ゆとり」の安定志向はあまりないと思うが、長引く不況に適応した楽しみ方をしているという指摘は、自分にも当てはまる部分があるかなと思う。
特集では、世代の特徴は「欠点」ではなく「個性」と捉えることが、年の差ギャップを乗り越える方法のひとつとしている。その点、若い世代の方が柔軟なので「あの人はそういうタイプだから」と相対的に見る余裕がある。
ただ、枠にはめられずに自由にやりたい気持ちが強いので、他の世代の価値観を押し付けられることには、けっこうな抵抗感を抱く。「そんな生活、何が楽しいの?」というおせっかいがいちばん気に触る人が、同世代には多いと思う。
これだけ各世代の価値観が違うと、かえって楽しい。「みんなと同じじゃなくちゃ」という圧力が生むトラブルやストレスは、すごく大きいだろう。「他人は他人、自分は自分」と思える人が増えることは、悪いことではないんじゃないだろうか。(池田園子)