Q&AサイトのOKWaveに、こんな相談が載っていました。質問者のcclimeさんは、東証一部上場のメーカーに勤めています。最近係長に昇格したばかりなのに、上司の課長から難題を持ちかけられて頭を抱えています。
その難題とは、パートのおばちゃんらを使って、面倒な女性社員に嫌がらせをして退職に仕向けること。課長いわく、会社が直接手を下すと何かとヤバイので、パートにいじめをやらせるというのです。
自分にとばっちりが来ないか、心配でたまらない
問題の社員が片付いたら、いじめに加担したおばちゃんらを順次雇い止めして証拠を消していけばよいと。
「おばちゃんたちは、仲間内で休みや仕事の押し付け合いをしていて日常的に揉めているので、(いじめを)依頼すれば深く考えず、むしろ大喜びで応じるだろう。あとはやりたいようにまかせておけば、相当ひどいことでも躊躇なくやるだろうから、こちらは見て見ぬふりをしていればよい」
とはいえ、当の課長が一切前に出ないようにしているので、「本当に自分にとばっちりが来ないのか」と疑っています。そこで、自分と同じ立場になったとき、他の人だったらどうするのだろうか、と相談を持ちかけたわけです。
人員整理のために嫌がらせをするケースが増えているようですが、今回の相談はちょっと毛色が違います。補足説明を総合すると、この課長にはパワハラやセクハラの前科があり、本社に呼ばれて人事の事情聴取を受けた経験があります。
このハラスメントを本社にリークしたと疑われているのが、今回ターゲットになった女性社員。事務系の管理部門で仕事はたくさんあるのに、これまでの仕事を取り上げられ、キツイ肉体労務を割り当てられています。
パートのおばちゃんの役目は、この女性に雑務を押し付け、相手を疲れさせたうえで悪意ある注意を繰り返して、やる気を削ぐこと。課長は嫌がらせの見返りとして、最大65歳までの雇用延長をおばちゃんに持ちかけることも考えているようです。
しかし、見返りを提示するということは、おばちゃんたちに「これは悪事だ」と告げているようなもの。それなのに、成功したら約束を翻して「順次雇い止めをする」なんて、本当にうまくいくものなのか。
「ウソのささやき作戦」は功を奏すか
回答者のmmykhさんは、課長の指示どおりに動いても、質問者さんには何の得にもならないと呼びかけています。
「あなたを間に入れた理由を考えましたか? 万が一、事の経緯が露呈した場合の保険ではないでしょうか」
課長から言われたことを、いまからメモしておくよう助言する人もいました。OLのbarujianさんは、上司から嫌がらせを受けていたとき、「いつ、どのような場面で、だれだれがこう言われた」という記録をとり、データ印を押していました。
そして労働組合に「労基署に告発するためにメモを取っている」とリークすると、会社側のスパイがそれを漏らし、最終的にその上司は会社からお咎めを受けたそうです。
しかし、上司が中途半端な処分を受ければ、次は質問者さんがターゲットになりかねません。Gusdrumsさんは、課長にウソの耳打ちをして、悪い企てをやめさせてはどうかと提案しています。
「パートの一部に彼女(ターゲット)と密接な者がいるようです」
「パートのおばちゃんの間で、雇用延長なんて一時的なものではとの噂が蔓延しています」
といったささやきをするというのです。
これで質問者さんは自分の立場を悪くせず、ハラスメントを中断させることができるでしょうか。それにしても、まるでテレビドラマのような物騒な話。悪役の上司に巻き込まれ、転落の道を歩まないことを祈りたいものです。