社内に食事スペースを設ける「3つのねらい」
オフィススペースも見学させてもらった。テーマは「社員がつながるアイデア創出型オフィス」。椅子のないミーティングデスクが印象的だ。ホワイトボードがついていて、短時間で濃密な話し合いができそうだ。それ以外にも、ちょっとしたミーティングができる場所がたくさんあった。
ヒカリエへの移転が決まった当初、社員食堂の構想はなかったという。「渋谷にランチスポットはたくさんあるから、自社の食堂はいらないのでは?」という考えからだ。
しかし、具体的な移転計画を検討する中で「社内に食事できるスペースを設ける意味がある」という結論に至った。まず、ITベンチャーで働く人は、近くにお店は多くても、ランチを食べに出かける暇が惜しいこともある。
また、会社が運営する食堂であれば、社員の健康に配慮した食事が提供できる。さらに、社内にリラックスした雰囲気のスペースを作れば、仕事の合間にリフレッシュしてもらい、再び仕事に励んでもらうこともできる。社員の交流の場にもなる。
なるほど、雰囲気が一般的な社員食堂ではなく、「おしゃれカフェ」になっているのはそういうことか。フロアにはシックな雰囲気のボックス席や、掘りごたつの席、カウンター席やソファ席など、素材の異なるテーブルと椅子がセンスよく配置されている。
とても会社の中にいるとは思えない、ゆったりした空間。そしておいしい食事。人生の伴侶も会社も相手の胃袋をがっちりつかむと強いんだろうなあと思った。(池田園子)