社会保険労務士・野崎大輔の視点
保育園の利用料補助や在宅勤務のしくみ作りも大事
オフィスに子どもを連れてくることは、社員が安心して働ける環境づくりとしては、とてもよい取組みだと思います。しかし、仕事に大きな支障が出るようなら本末転倒ですし、かといって尾崎さんが指摘する体制をただちに整えられる会社も多くないでしょう。事業所内に保育施設を設置する以外の方法も、あわせて考えてみてはいかがでしょうか。
たとえば、職場近くに私立認可保育園がある場合、社員にそちらを利用してもらい、会社が利用料の一部を補助することも考えられます。満員電車に乗らないですむように出社・退社時間に配慮し、短時間勤務を可能にすることも必要です。会社に来なくても仕事ができる「在宅勤務」のしくみやルールづくりをすることも、子育て世代には助かると思います。嫌味をいう取引先には、PRを兼ねて会社のポリシーを説明するといいと思います。お互いに足を引っ張りながら長時間労働をするのではなく、寛容な気持ちで効率よく仕事を行うことで全体の生産性が上がっていく好循環ができればいいですね。
(本コラムについて)
臨床心理士の尾崎健一と、社会保険労務士の野崎大輔が、企業の人事部門の方々からよく受ける相談内容について、専門的見地を踏まえて回答を検討します。なお、毎回の相談事例は、特定の相談そのままの内容ではありませんので、ご了承ください。