「あなたが面白いと思う本は?」と聞き返す
これの応用として、たとえばウェブサイト制作の発注先を探すときにも、ジャンルを特定した尋ね方をすべきという。
「新規作成でなく、作り直しのうまい会社、ご紹介いただけませんか?」
「デザインよりも、訪問者の関心をひく仕掛けのうまい会社、探しているのですが」
確かに、漠然と「サイト制作のいい会社、知りませんか?」という質問では、こちらの要望と会社の強みがマッチせず、気まずい結果に終わる可能性が高い。
「なんか面白い本、ありませんか?」という質問も、考えてみれば不躾な質問だ。これも「おいしい店」と同じで、相手の好みによって大きく違う。でも、もしかすると自分も聞いたことがあるかもしれない…。
こんな質問をされたとき、中山氏なら、
「あなたが面白いと思う本を教えてください」
と切り返すそうだ。それで答えに窮するようなら、それで終わり。相手の読書レベルや趣味嗜好に合わせて、適切に回答をすると、本を使った関係作りができ、自分の立場を強固なものにできる。
お誘いや頼みごとは、言った方よりも、言われた方がよく覚えていることがある。「あの人は有言実行だ」と信頼されるために、ちょっとした言葉遣いにも気をつけたほうがよさそうだ。(池田園子)