ナイキのサイトが「変顔」だらけのワケ 顔認識技術を広告表現に活かす

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   「顔認識技術」をご存知だろうか? 目、鼻、口など顔のパーツの位置や大きさ、形などの特徴を解析する技術だ。

   身近なところではフェイスブックでも使われており、写真をアップロードすると、被写体が誰なのか自動的に候補が表示されるようになっている。この技術を高度に活用し、表情認識技術と組み合わせたナイキのキャンペーンサイト「FREE FACE」がウェブ上で話題になった。

顔の表情を変えると、リアルタイムで靴がゆがむ

顔認識技術で商品の柔軟性をアピール
顔認識技術で商品の柔軟性をアピール

   ナイキのスポーツシューズ「NIKE FREE」は、ソールに深い溝を入れシューズに柔軟性をもたせ、裸足感覚で履けるのが特徴だ。ウェブサイト『FREE FACE』は、この商品を広告宣伝するためのキャンペーンサイトである。

   商品の柔軟性をユーザーに伝えるべく、パソコンのウェブカメラに向かって顔の表情を歪ませると、表示された靴が連動して歪む仕組みになっている。

   指定された枠に自分の顔を写すと、目・鼻・口・輪郭などのパーツが認識される。表情を縦方向に動かすと、眉毛からあごにかけての変化に応じて商品の写真も曲がる。横方向に動かすと、口元の非対称度合いに応じて商品もゆがむ。

   商品の形は表情に応じてリアルタイムで変化し、顔・表情認識技術の精緻さに驚かされる。さらにユーザーの衣服や背景色を認識し、商品の色もカスタマイズされるようになっている。

   ユーザーの顔とNIKE FREEが対になった画像は、サイトにアップロードすることができる。サイトでは5月末まで毎週コンテストが実施されており、最も票数の多かったユーザーにギフトカードがプレゼントされる。

ユーザーの記憶に残る身体的な体験を提供

ウェブ・店舗連動型の「WRITE THE FUTURE」
ウェブ・店舗連動型の「WRITE THE FUTURE」

   ナイキはこれまでにも、ユーザー参加型の先進的なキャンペーンを展開してきた。

   「Nike Football : WRITE THE FUTURE 未来をかきかえろ」(サイトは閉鎖)では、ユーザーがツイッターを通じて送信したメッセージを、ナイキ原宿に設置された闘莉王選手の等身大の像の表面にドリルで刻み込むという、ウェブ・店舗連動型のキャンペーンを実施した。

   「THE GLOBAL EKIDEN RELAY - RUN Fwd:」では、ランニングに特化した情報システム「Nike+」と連動した駅伝大会を開催した。このシステムを利用する複数人でチームを結成し、途切れることなくたすきをつないで、約2か月間の走行距離を競うもの。

   このキャンペーンには全世界で4,700人のランナーが参加し、優勝したチームはランナー数135人で合計1,131キロを走行した。

   参加型のキャンペーン設計は、身体的な記憶として残りやすいため、ユーザーにとってはリッチなブランド体験といえるだろう。(岡 徳之

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