仕事上の評価を下げてしまう「世間話」もある
この3つのねらいは、自称「世間話が得意な人」に確認してもらいたいことでもあります。
お客さんと話が盛り上がって「いい感じ」と思ったのに、まるで仕事に結びつかないという経験はありませんか? 「自分は会話が巧みで、ネタに困ったことがない」という人にも、ひとつ注意を呼びかけておきたいと思います。
会話に酔って自分を見失い「下世話な話ばかりする人」と思われて、知らないうちに仕事上の評価も下がっているかもしれません。ビジネスパーソンの世間話は、あくまでもねらいに沿って戦略的に行うもの。冷静にコントロールすることを心がけて下さい。
知人で「世間話」が大好きな人がいます。打ち合わせに訪問すると、2時間近く付き合わされることもあります。とにかく博識で、おいしい飲食店情報から映画、旅行、文学と趣味も多彩。マイブームを題材に、訪ねてきた人と世間話をするのです。
「最近の日本映画、まずい方向に向かっていると思わないか?」
深夜の居酒屋でなく、昼間の応接でお茶一杯のお付き合い。さらに困るのは、仕事との関係性が見えないのです。聞き上手な営業をみつけたらトコトン話を続けます。
あるときオフィスを訪ねたら、他社の営業に語っている最中でした。聞き手からは「早く解放してくれ」という態度がありあり。発注する側なのでハッキリ断れないのでしょうが、こういう世間話の使い方はいかがなものかと思わされる出来事でした。(高城幸司)
*2012年5月、 日経プレミアシリーズから『仕事の9割は世間話』を出します。ぜひご一読いただければと思います。