テクノロジーが変えた「休日の電車内」の風景

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   ゴールデンウィークになり、子どもさんと出かける機会が増えた方も多いのではないでしょうか。子どもと同行していて気になるのが、いかに静かにさせていられるか。多少のことなら「元気が良い」で済ますことができても、あまりに騒がれるのは困ります。

   日曜日の昼下がり、所用で東京の郊外を走る電車に乗っていると、小学校低学年ぐらいの子どもが、かなりの高確率で携帯ゲーム機を持っていることに気づきました。

   よくよく見てみると、携帯ゲーム機を持っていない子どものなかには、親のスマートフォンを借りてゲームをしているのもいます。日曜日ということで、電話がかかってこないとの安心感もあるのでしょうか。

周囲に迷惑をかけず静かに集中する子どもたち

   結局、車両内に11人いた子どもたちの全員が、なんらかのゲームで遊んでいました。小さな子どものいる家庭では、もはや携帯ゲーム機は必需品なのかと、妙に感心した次第です。

   音を切れば周囲への迷惑にもなりませんし、子どもは静かに集中してるし、便利ではあります。本と違いミスや失敗があるため飽きにくい面も、親としては面倒が少なくてすみます。

   ちょっと驚いたのは、ノートパソコンのような形をしたDVDプレーヤを持っていた親子連れがいたこと。小さなヘッドホンを頭に着け、乗り込んですぐから降りるまで、ずっと何かのアニメを夢中になって視ていたのが印象的でした。

   おかげで、子どもが10人以上いるにもかかわらず車内は静かなまま。たんたんと、電車は走り続けました。

   良し悪し、好き嫌いについては、いろいろな意見があるでしょう。正直、筆者にも違和感がないわけではありません。でも、テクノロジーは確実に生活に入り込み、日常の風景をも変えています。これからも、ITやネットとの距離感は近づきこそすれ、遠ざけることは困難となるでしょう。

   「子どもが騒いで暑さが増す」といったトホホなサラリーマンの風景が消え、「冷房が効いたシンとした車内に、子どもが操作する携帯ゲーム機の音がかすかに響くようになったら休みの日」というのが、新たな風物詩になりそうです。(井上トシユキ)

井上トシユキ
1964年、京都市出身。同志社大学文学部卒業(1989)。会社員を経て、1998年よりジャーナリスト、ライター。東海テレビ「ぴーかんテレビ」金曜日コメンテーター。著書は「カネと野望のインターネット10年史 IT革命の裏を紐解く」(扶桑社新書)、「2ちゃんねる宣言 挑発するメディア」(文藝春秋)など。
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