社会保険労務士・野崎大輔の視点
いっそ若手に予算を与え、企画を任せてみては
「今どきの若いモンはつき合いが悪い」などと言われますが、必ずしもそうとはいえないでしょう。各種調査でも若手社員が飲み会を拒否したり、上司や同僚とのコミュニケーションを嫌がるという傾向は出ておらず、むしろ逆です。会社の仲間をおろそかにしてプライベートで遊びまわるのは、バブル期の感覚ではないでしょうか。もちろん、部下を長時間拘束して上司が独演会をするような飲み会は嫌がられますが、それは「今どきの若いモン」の問題ではなく、上役や年長者の側であらためるべきことでしょう。
こういったことを前提とすると、職場の飲み会はいっそ若手に幹事を任せた方が、うまくいくのではないかとも思います。一定の予算を与え、その範囲内で懇親を目的とした会を開催させるのです。企画や準備、後始末まで、いろいろな人の協力を得て進めることで、プロジェクト管理の練習にもなります。うまく実行できたら「いい飲み会をありがとう。また頼むよ」とねぎらいの声をかけてあげて下さい。そうすれば管理する側の視点も身につきますし、自主的に「またやろう」と思ってくれるのではないでしょうか。
(本コラムについて)
臨床心理士の尾崎健一と、社会保険労務士の野崎大輔が、企業の人事部門の方々からよく受ける相談内容について、専門的見地を踏まえて回答を検討します。なお、毎回の相談事例は、特定の相談そのままの内容ではありませんので、ご了承ください。