各国に利用されている「都合のいいコメント」
決して長いとはいえない首相在任期間を見ていても、鳩山さんがそういう「気遣い」のできる人だと考える人は少ないだろう。
逆に言えば、イランは「先進国の大物政治家で、我々に同情的なコメントをしてくれそうな人」というピースだけを残してパズルを組み上げ、鳩山さんに白羽の矢を立てたのだろう。
そして見事に鳩がネギしょってやってきたわけだ。鳩山さんに対して陳謝はしても、世界に流したリリースはもう取り消せない。
北朝鮮やパレスチナやシリアや中国といった、外交や人権でいろいろと問題を抱える地域からすれば、鳩山さんは素晴らしいピースの一枚に見えるに違いない。
難解なパズルを埋める鍵となるピース、それも先進国の大物という条件を満たすピースは、この人くらいしか見当たらないからだ。きっと今後も様々なアプローチがあるだろうし、本人も二つ返事で出かけそうな勢いだ。
とりあえず民主党には、鳩を鳥籠に入れておくか、せめて外交顧問の肩書を外しておくことをおススメしたい。(城繁幸)