悩める国々に降り立った救世主・鳩山さん

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各国に利用されている「都合のいいコメント」

   決して長いとはいえない首相在任期間を見ていても、鳩山さんがそういう「気遣い」のできる人だと考える人は少ないだろう。

   逆に言えば、イランは「先進国の大物政治家で、我々に同情的なコメントをしてくれそうな人」というピースだけを残してパズルを組み上げ、鳩山さんに白羽の矢を立てたのだろう。

   そして見事に鳩がネギしょってやってきたわけだ。鳩山さんに対して陳謝はしても、世界に流したリリースはもう取り消せない。

   北朝鮮やパレスチナやシリアや中国といった、外交や人権でいろいろと問題を抱える地域からすれば、鳩山さんは素晴らしいピースの一枚に見えるに違いない。

   難解なパズルを埋める鍵となるピース、それも先進国の大物という条件を満たすピースは、この人くらいしか見当たらないからだ。きっと今後も様々なアプローチがあるだろうし、本人も二つ返事で出かけそうな勢いだ。

   とりあえず民主党には、鳩を鳥籠に入れておくか、せめて外交顧問の肩書を外しておくことをおススメしたい。(城繁幸)

人事コンサルティング「Joe's Labo」代表。1973年生まれ。東京大学法学部卒業後、富士通入社。2004年独立。人事制度、採用等の各種雇用問題において、「若者の視点」を取り入れたユニークな意見を各種経済誌やメディアで発信し続けている。06年に出版した『若者はなぜ3年で辞めるのか?』は2、30代ビジネスパーソンの強い支持を受け、40万部を超えるベストセラーに。08年発売の続編『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか-アウトサイダーの時代』も15万部を越えるヒット。ブログ:Joe's Labo
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