経営者が当事者意識を持つテーマを「取材」する
こうなってしまったら、大きな仕事を取り損なってしまいます。なんとか踏ん張って関係を構築したいとき、どんな話題なら貴重な時間を無駄にしないのでしょうか。
社長の趣味を調べておいて、それを話題にする――。そんな方法もありますが、仕事上の関係ができるかどうかも分からない人からいきなり切り出されても、「いまはそんな話をする気分じゃないね」と避けられてしまいます。
そんなとき、社長が当事者意識を持っている事業のテーマについて、記者のように質問する方法が考えられます。それにより「この営業はなかなか勉強しているな」「仕事上の相談ができる人かもしれない」と思わせることができます。
「社長、ひとつお聞きしてもよろしいでしょうか。先日発表された業務提携は、大胆な意思決定ですね。商品やサービスに反映されてくるのは、いつごろになりますか」
といった突っ込んだ質問をすると、たいていの社長は「なんで君にそんなことを答えなくちゃならないのか」とぼやきながらも、疑問に答えてくれるものです。
社長の回答を熱心に聴き終えたころ、社長とあなたとの距離はいくぶん縮まり、信頼のラポール(架け橋)を築くきっかけができていることでしょう。(高城幸司)