さいたま市の住宅リフォーム会社が、社員の就業中の仮眠を認める制度を導入して話題となっている。1日1回に限り15分から20分、眠くなったタイミングで各自が自主的に眠りに入ってよい。事前申請は不要だ。
午後の仕事の集中力や安全性を高めるのがねらい。デスクに枕を置いて寝ている場合などは、同僚たちは電話を取り次がない配慮をするという。
短時間の睡眠が業務効率のアップにつながることは、医学的にも認められている。米国では「パワー・ナップ」と呼ばれているが、昼寝にまでパワーをつけるところが米国らしい。
ドイツ「昼寝をして人手不足をカバー」?
この制度に対し、ネット上には「経験ではかなり効果がある」「うちの会社でもやりたい」という声があがっているが、中には「制度はないけど勝手に居眠りしてる人がいる」という会社もあるようだ。「日本の国会ではごく普通の光景ですが何か?」という指摘もある。
外資系企業には、あらかじめオフィス内に仮眠室を設けているところがある。日本でも東京・渋谷のGMOインターネットグループが「お昼寝専用スペース」を設け、最大30分の利用ができる環境を整えている。
昼寝を認める職場は、欧州にもあるようだ。ドイツのある町では、役場職員に勤務中の昼寝を推奨している。「仕事が多くて職員の数が足りない」と悩む町に、保険会社が「昼寝をして業務効率を上げる」方法を勧めたそうだ。勤勉な人の多い日本だったら「寝てるヒマがあったら働け!」と言われるかもしれない。
フランスでは2007年に、健康相が「なぜ就業中の昼寝がないのか。これはタブーではない」と述べ、就業中の昼寝の効果を研究するよう指示したという。背景には、フランス人の56%が睡眠不足で仕事の能率が低下しているという調査結果がある。
2009年にアイシェアが実施した日本で実施したアンケートでも、「仕事中、昼間に眠くなったことがある」と答えた人は、「頻繁にある」「たまにある」を加えると96%にのぼり、「仕事中に気づいたら眠っていた」という人は20代の55.2%を占めていた。