「家族と一緒に夜の食卓を囲みたい」は、ぜいたくすぎる望みなのか

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   2012年4月4日にJ-CAST会社ウォッチが掲載した「新卒で入社3日目『もう辞めたい。早く帰れる公務員になりたい』」という記事に、多くのコメントが寄せられている。

   新卒で塾に入社したものの、3日目で辞めたいという男性。譲りたくない仕事選びのポイントとして「将来家庭を持ったとき、家族と一緒に夜の食卓を囲める時間に帰れること」をあげ、これがいまの仕事で実現できそうにないので「退職を考えた」ことに読者の反発が強いようだ。

「どこの世界に楽をして稼げる世界があるのか?」
「こんな人に公務員になってほしくありません」
「考え方が腐ってると思います」

   中には「家族と食卓を囲みたいなんて、人間として当然の欲求ですよ」と擁護する声もあるが、全体としてはごく少数派だ。

フェイスブックCOO「毎日午後5時退社」というが

職場で微笑むサンドバーグさん(MAKERSより)
職場で微笑むサンドバーグさん(MAKERSより)

   しかし、世界中には「家族と夕食を楽しむ」ことを習慣にしている人がたくさんいる。フェイスブックのCOOで創業者ザッカーバーグに次ぐNo.2、シェリル・サンドバーグさんもそのひとりだ。

   米MAKERSのインタビューによると、2児の母でもあるサンドバーグさんは「毎日午後5時半に退社し、家族と夕食を楽しむ」生活を、2008年まで勤めていたグーグル副社長時代から続けているという。

   同僚たちが自分の退社時間をどう思っているか気にかかるのは、米国人も同じ。サンドバーグ女史も「5時半になったので退社します」と社内で公言できるようになったのは、自分に自信が持てるようになった2年ほど前からだという。

   彼女はハーバード大を主席で卒業、マッキンゼーを経てサマーズ国務長官の主席補佐官を務め、フォーブス誌が選ぶ世界で最もパワフルな女性5位に選ばれたスーパーウーマンだから、仕事の処理能力も高いに違いない。

   それでも、ザッカーバーグより多い3千万ドルもの報酬を受け取る重責が激務でないはずがない。午後5時半退社で、本当に仕事が終わるのだろうか。この疑問に彼女は、

「自宅でも仕事をしていますし、仕事が深夜に及んだり、早朝5時半に起きて仕事をすることもあります」

と答えている。結局、「家族と夕食を楽しむ」時間を過ごしたあとは、就業時間の定めのないフルタイムのエグゼクティブ生活に戻らざるを得ないわけである。

   ネット上には「5時半に帰宅できれば日本でも女性エグゼクティブが増えるはず」という声もあるが、ここまでのハードワークを想定できるだろうか。

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