Q&AサイトのOKWaveに、こんな相談が載っていました。質問者のneneneneneneさんは、22歳の男性。4月1日に個人指導の塾に新卒で入社しましたが、わずか3日目で退職を本気で考えています。
入社早々、個人指導の実習で「自分の人並みはずれた不出来具合」に、かなり辛い思いをしたと告白します。元々、一生この仕事を続けていく気はなく、魅力や希望も感じられません。いまは将来への不安や絶望に、精神的におしつぶされそうです。
でも失敗して行き場がなくなったらどうしよう
そこで、退職して専門学校で勉強して、プライベートとメリハリをつけて働ける公務員になりたいと思います。会社に貢献するより、地域に貢献するところにも、一生の仕事としてやりがいを感じます。
塾は平日も土日も忙しく、たまの休みもレポートや教材研究にとられてしまいそうです。将来家庭を持ったとき、家族と一緒に夜の食卓を囲める時間に帰ることが「譲りたくないポイント」であり、「退職を考えた一番の理由」といいます。
ただ、塾に対しても申し訳ないし、公務員試験に失敗して行き場がなくなる不安もあります。「ただの逃げ、甘え、社会をなめているといわれてしまうかもしれませんが、どんなことでもいいのでアドバイスいただけると幸いです」
確かに後に大物になった人が「僕は最初の会社を3日で辞めました」「僕は2日です」などと発言するのを見かけることがあります。ベストセラー作家の山田真哉氏も、新卒で学習塾に入ったものの、肌に合わず数か月で辞めたようです。
他人の人生、どうこうすべきと他人が言えるものではありませんが、予想どおり黙ってはいられない人から驚き呆れる回答が寄せられています。
「社会をなめているね。…公務員になれても、すぐに下らない理由で辞めたくなりますよ。ふざけるなと言いたい」(metyabiさん)
「公務員です。なめないでください。あなたみたいな人は、まず面接で落とします。その前に試験受かるかな?」(tomoakiaidaさん)
自分なら「経験を生かして塾を起業する」という人も
家族と夕飯の食卓を囲める時間に帰りたい、という希望に対しても、「そういうこと言う人に仕事する権利ない」「この理由でどこも働くところはありませんよ」などと厳しい言葉が投げかけられています。
準公務員の仕事をしていたhanabutakoさんは、経験を踏まえて「(公務員でも)激務につかされるかどうかは辞令次第で、あなたには選択権がない」と忠告します。boyz3menさんも「公務員が残業0時間とは限りませんよ」といいます。
ただ、家族と夕食を囲んでいる人は、公務員以外にも世の中にいます。たとえば若くして事業を起こし、人を雇って悠々自適の生活をしている人がそうです。そのために、いま必要なことは、どんな分野でも経験を積み、実力を蓄えることではないでしょうか。「若いころの苦労は、買ってでもしろ」という言葉もあります。
回答者の19701114さんの意見は、自分が同じ立場だったら「塾で頑張って修行して、結婚して落ち着いたら経験を生かして自分で塾を起業する」というもの。
「人気の出る先生とは? 修行に値すると思うけどな…。働く=収入、その先の大きな夢は必要だぜ。男だろ?」
塾なら初期投資が少なくてすみ、自分(先生)の能力が高く、教え方が上手で人気がでればやりがいもできる。社会的意義も大きい。そんなビジョンが見えてくれば、お金をもらって経験が積めるいまの職場が、がぜん魅力的に見えてくるのではないでしょうか。