新卒学生の採用選考が解禁される4月1日が、いよいよやってきた。就職活動の早期化、長期化が学業へ悪影響を与えているとして、広報活動は従来の10月開始から12月開始へと変更になった。しかしながら、面接を中心とした選考活動は4月から開始する企業も多いと予想される。
就職サイト「リクナビ」の岡崎仁美編集長は、2012年の選考スケジュールは、東日本大震災の影響で分散化した11年度よりも前倒しで進むのではないかと予想し、注意を呼びかけている。
「学生たちの就職活動は、1年上の先輩の影響を強く受けやすいものです。ただし11年度は震災の影響があり、あくまで例外と考えましょう。特にスケジュールについては10年度並みに進むと考え、のんびり構えすぎないようにしたいものです」
中堅企業も6月ころから内定を出し始めそう
岡崎氏は、大手企業は4月から5月にかけて「採用内定」を出し始め、7月末までに採用予定人数の5割、10月までに7割から8割の人数を確保すると見ている。これは、10年度とほぼ同じスケジュールだ。
11年度は震災の影響で、6月から7月に内定を出し始めた会社が多かったが、この感覚で活動していると、今年は出遅れになってしまう。8月ころから内定を出した中堅企業も、例年どおり6月からに戻りそうだ。
ここで岡崎氏が懸念しているのは「夏までに決めたい」と活動しながら、そこで決まらないと早々と就職活動を諦めてしまう学生が現れることだ。
「知名度の高い会社にエントリーシートを出し、採用されなかったら『もう行くところがない』と諦めてしまう学生が少なくありません。いくつ落ちたのと聞いたら『3社』と答えた人も。業界研究などを通じて、会社を知る努力をして欲しいですね」
中堅・中小企業の内定は、大手よりも遅めに出されることが多い。研究熱心な学生は有名企業に落ちても、世界トップシェアの中堅メーカーや業界上位の「知られざる優良中堅・中小企業」に照準を切り替えることができる。
「9月以降に内定を出す会社は、従業員300人未満の会社では2割以上、従業員50人未満の会社の5割以上を占めます。大手を志向するのも悪くありませんが、そこに受からなかった場合を想定した現実的なスケジュールを立てておくべきです」