臨床心理士・尾崎健一の視点
職場でペットを飼う効果を検討してみてもいい
仕事に対するモチベーションは、金銭的な報酬だけでなく、職場環境によっても大きく変わります。何らかの形で従業員が働きやすく、気の休まる職場環境を整える姿勢を見せることは、「会社はあなた方の労働環境に積極的配慮をしています」というメッセージを間接的に伝えます。逆に「仕事に関係ないものを持ち込むな」ということは、「余計なことをせずに働け」という意味に捉えられかねず、ギスギスした職場を促進します。
「アニマルセラピー」という言葉もあるように、ペットを飼育することによる効能はいくつもあると思います。見て和むだけでなく、職場のなにげない会話を促進することも考えられます。熱帯魚ではどうか分かりませんが、犬など哺乳類とのスキンシップが精神的なリラックスをもたらす効果が研究されています。ペットの世話で仕事以外の負担を増やすことは考え物ですが、会社としてルールをきちんと決めて運用するなら、働きやすい職場づくりに一役買ってくれる可能性はあると思います。
(本コラムについて)
臨床心理士の尾崎健一と、社会保険労務士の野崎大輔が、企業の人事部門の方々からよく受ける相談内容について、専門的見地を踏まえて回答を検討します。なお、毎回の相談事例は、特定の相談そのままの内容ではありませんので、ご了承ください。