社会保険労務士・野崎大輔の視点
会社でペットを飼うことのリスクを考えるべき
職場環境の変更について、誰が権限をもって決めるかは会社によって異なります。規模の小さな会社であればすべて社長の了解が必要でしょうし、部門のトップや管理職に委ねられている場合もあります。A君が責任者に了承を得ず、勝手に飼い始めたのなら問題です。仕事に関係ないものを職場に持ち込むことや、会社の電気を仕事以外で使うことになるからです。他の「ペット予備軍」を含め、仕事に関係ないものをなるべく職場に持ち込まず、必要な場合は上長に相談するよう指導すべきでしょう。
今回の場合、仮に部長が黙認していたとしても、問題があると判断すれば、会社は部長を通じてA君に飼育をやめさせることができます。電気代が思いのほかかかったり、漏水や水槽倒壊によって電気系統の故障が起きるリスクもあります。掃除が行き届かなくなって不衛生になったり、ペットが死んでショックを受けて仕事に支障をきたす人もいるかもしれません。総務部門は念のためペット飼育のリスクを検討し、方針を決めておいてもいいと思います。