新人がデスクに水槽を置いて、熱帯魚を飼い始めた

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   職場は、仕事をする場所だ。とはいえ、人間が長い時間を過ごす場である限り、仕事に関係ないものを極力排除することが最善かというと、必ずしもそうでもない面もある。「ギスギスした職場」が個々人の生産性を下げることも知られている。

   ある会社では、職場の殺伐とした雰囲気に社員たちが不満を漏らしたところ、新入社員が「熱帯魚の飼育」を提案し、職場に水槽を持ち込んで飼育し始めたという。

職場の評判も上々「オフィスにいたら和むよね」

――中堅商社の総務です。先日、社員から匿名のメールが来ました。隣の部署で熱帯魚を飼い始めたが、放っておいて大丈夫なのかという内容でした。

   現場を見に行くと、新人のA君が自分のデスクに小さな水槽を置き、赤青黄の熱帯魚を数匹泳がせていました。

   驚いてA君に経緯を聞くと、先月末に残業を終えて帰ろうとしたとき、先輩や同僚たちと「殺伐とした職場だよね。なんか和めるものないかな」という話になったそうです。

   そこでA君が、実家で熱帯魚をたくさん飼っているから、何匹か持ってきてもいいと申し出たところ、

「オフィスに熱帯魚がいたら和むよね~」
「いいなーいいなー、何匹か持ってきてよ」

と盛り上がりました。翌週に水槽をセットしたところ、職場の評判は上々。A君が出張中の日には、同僚たちが掃除や餌やりを分担しているそうです。

   部長に「あれはいいんですか?」と尋ねましたが、「小さい水槽だし、みんなが仕事をするならいいんじゃない?」と答えています。

   ただ、A君の様子を見て、「私も魚飼いたい!」「うちのトカゲとか持ってきてもいいかな」という人もいると聞き、このまま放置して大丈夫なのかなという気がしています――

尾崎 健一(おざき・けんいち)
臨床心理士、シニア産業カウンセラー。コンピュータ会社勤務後、早稲田大学大学院で臨床心理学を学ぶ。クリニックの心理相談室、外資系企業の人事部、EAP(従業員支援プログラム)会社勤務を経て2007年に独立。株式会社ライフワーク・ストレスアカデミーを設立し、メンタルヘルスの仕組みづくりや人事労務問題のコンサルティングを行っている。単著に『職場でうつの人と上手に接するヒント』(TAC出版)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。

野崎 大輔(のざき・だいすけ)

特定社会保険労務士、Hunt&Company社会保険労務士事務所代表。フリーター、上場企業の人事部勤務などを経て、2008年8月独立。企業の人事部を対象に「自分の頭で考え、モチベーションを高め、行動する」自律型人材の育成を支援し、社員が自発的に行動する組織作りに注力している。一方で労使トラブルの解決も行っている。単著に『できコツ 凡人ができるヤツと思い込まれる50の行動戦略』(講談社)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。
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