お昼休みの電話番から大きな仕事が
「あいつはラッキーな仕事ばかりに恵まれている」
そんな被害妄想に駆られているのはFさん(28歳)。売上数字に追われて大変な日々を過ごしています。ある日、同じ職場の同僚とランチを食べて帰ってきたところ、同期のHさんがお客さまからの問い合わせ電話を受けていました。
「急ぎで仕事をお願いしたい。今日にでも来てくれないか?」
こうした問い合わせが来たとき、それまでに取引がないお客さまの場合、電話を受けた人が担当することになっていました。Hさんが夕方に訪問から帰ると、
「課長、大手の会社から年度内に1000万円の仕事が取れそうです」
と報告。お昼休みの電話番で、3か月分の売り上げ目標を達成してしまったのです。
Fさんは「おめでとう!」と称えたものの、何となくしっくりいきません。自分が毎日積み重ねた努力より、偶然の産物の方が大きいなんて…。
でも、このケースは、年度末の予算消化の仕事が来る可能性のある時期に、昼食を早めに切り上げて電話番を引き受けていたHさんの手柄です。「運と勘」に基づく工夫の勝利といっていいでしょう。(高城幸司)