臨床心理士・尾崎健一の視点
未知の世界に入るときに不安になるのは当たり前
最初の就職先は、日本社会において比較的大きな意味を持っているのが現実です。したがって、自分がどうしても納得できない会社に入って就労経験を積むべきかどうかは、基本的に他人がどうこう言えることではありません。
ただ、心理的に考えると、学生から社会人になる時期は、まったく未知の世界に入るわけですから、不安が強くなっても不思議ではありません。「内定ブルー」という言葉もあるくらいです。特に厳しい就職戦線で疲弊した人が、ようやく内定先を得たあとに「本当にここでよかったのか?」という考えに取り付かれ、やる気が急速に失せてしまうことはよくあります。「バーンアウト(燃え尽き症候群)」の一種といっていいでしょう。
憂鬱な気分を押して会社に入るべきか否かは個別の状況によって異なりますが、新しい世界に入ってしまうと、事前に抱いていた不安が小さく感じられることも往々にしてあるものです。「案ずるより産むが易し」ということです。不動産営業はノウハウの塊で、小手先でできるものではありません。立派な営業マンから物件を購入して心から満足しているお客さまを目にすれば、考え方が変わることもあるでしょう。