並みのOLでは、知識も交渉術も及ばない
自営業者のお客さまの手強いところは、取引先との間で「交渉慣れ」しているところと、「横のつながり」があるところ。どこまで延滞できるかの知識だけでなく、債権回収OLをウッと詰まらせるツッコミも巧みです。
「え、おたくのカードにそういう機能、ついてなかったっけ?」
「その決まりは、貸金業法の第何条に基づいて運用してるの?」
「お前のところの会社の社長、なんて名前なんだ? 住所は? 従業員数は?」
支払いに直接関係ない話もありますが、すんなり答えられないと「なんだ、そんなことも分からないで債権回収やってるのか!」と優位に立たれてしまいます。
教育係のK先輩は、自営業者の債権回収は「会社員の3倍難しい」「言い負かされるのは、あなたに『仕事に関する知識』が足りないからだ」といいます。確かに、うまくいかないときは相手の「知識」がこちらを上回る時が多い気がします。
考えてみればお客さまは、そのまたお客さまからの売掛金回収などに日々苦労されているわけです。並みのOLでは太刀打ちできるわけがありません。本当に勉強されていただいております。
自営業のお客さまは、債権回収OLの「タフな教育係」。自社のこと、お金のこと、交渉術、世の中のこと…。債権回収にも、いろいろな勉強が必要だなあとあらためて感じるこの頃です。(N本=えぬもと)