社会保険労務士・野崎大輔の視点
「不公平・不当な評価」はパワハラになる可能性がある
部長が行っていることは、厚労省WGのパワハラの行為類型には入っていませんが、「職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて精神的苦痛を与える」ことにつながるので、パワハラになるおそれがあるのではないでしょうか。問題は、仕事ができるA子さんとできないB子さんを、同じ評価で処遇していることです。業績評価が恣意的で、著しく不公平と捉えられるおそれがあります。
東京大学などが作成した「アカデミック・ハラスメント防止ガイドライン作成のための提言」では、「就労上の権利の侵害や業務の妨害」行為のひとつとして「業務に関して著しく不公平・不当な評価を行う」ことをあげています。A子さんへの低すぎる評価だけでなく、B子さんに高すぎる評価を与えることも不公平な評価に該当するので、問題になる可能性があるのではないでしょうか。また、「あの子はカワイイから」発言や「ちゃん」付けはセクハラと指摘されるおそれがありますのでやめさせた方がよいと思います。