楽しそうに仕事をする人のところに、おいしい仕事が寄ってくる

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   リクルート社時代の上司が、いつもこう語っていました。

「いいか、仕事の報酬は、お金じゃないんだ。仕事で返ってくるんだぞ」

   そんなものなのか、と漠然と聞いていましたが、「売れる営業」になったとき、それが本当のことであると痛感しました。

   大型契約をしたお客さまから、別のお客さまをご紹介いただけたり、社内で「この仕事は君にしか任せられない」と難度の高いやりがいのある企業の担当をさせてもらえたのは、お客さまの満足を含む「仕事の成果」の賜物でした。

「次の仕事」が来れば仕事が楽しくなる

とりあえず仕事を楽しそうにやってみる
とりあえず仕事を楽しそうにやってみる

   もちろん、報酬は仕事だけではありません。大きな仕事、やりがいのある重要な仕事で成果を上げれば、金銭的な報酬だって当然上がります。組織の中での権限が大きくなり、やりたいことが自由にできるようになりました。

   そうすると、仕事をするのが楽しくなってきます。「仕事なんてつまらないもの」と決めつけていても、いつまでも楽しい仕事ができませんし、なにしろ自由を手に入れることができません。

   確かに、仕事で成果を上げてもすぐに認められるとは限りませんし、成果を上げて注目されそうな仕事にありつけないかもしれません。そこには運もあるでしょう。

   しかしそれでも、いまの場所から脱却できるかもしれない方法が、ひとつあります。それは「とりあえず仕事を楽しそうにやってみること」です。そのわけは、上司やお客さまから見て、楽しそうに振る舞う人の方が、「前向きで成果につながりそう」な期待値を感じるからです。

   参考までに、以前私の部下で対照的な振る舞いをしていた、A君とB君の2人の営業を比較してみましょう。

【楽しそうに仕事をしているA君】
何を相談しても「笑顔で前向き」な答えが返ってくる。「仕事が楽しい」といつも口にしている。多少の難題をぶつけても前向きに善処する対応をみせてくれる。
【つまらなそうに仕事をしているB君】
何を相談しても「しかめっ面で後ろ向き」な答えが返ってくる。営業の仕事に対する愚痴をよく口にしている。ちょっと難題をぶつけただけで、やる気なさそうに対応する。

   仮に2人が同じくらいの力量なら、「次の仕事」はA君に頼みたいと思うのが自然ではないでしょうか。

高城幸司(たかぎ・こうじ)
1964年生まれ。リクルートに入社し、通信・ネット関連の営業で6年間トップセールス賞を受賞。その後、日本初の独立起業専門誌「アントレ」を創刊、編集長を務める。2005年に「マネジメント強化を支援する企業」セレブレインの代表取締役社長に就任。近著に『ダメ部下を再生させる上司の技術』(マガジンハウス)、『稼げる人、稼げない人』(PHP新書)。
「高城幸司の社長ブログ」
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