言葉は、時代とともに変わる。その時代に生きた人が使っている言葉を、正しいか間違っているかを判断するのは難しいものだ。
それでも、多くの人が使う言葉が、他人に不快感を及ぼすこともある。20代ビジネスパーソン向け情報サイト、コブスオンラインの「聞いていると、イラッとする日本語」ランキングによると、1位は男女とも「~ですぅ」だった。
「いつまで妹キャラで通そうとしてるんだよ」
「~ですぅ」は、若い女性が甘えて使うことが多い言葉なのだろう。おじさんには効果があるだろうが、若い男性には好感をもたれないようだ。
「意図が分からない。自分をかわいく見せるためなのか」(28歳・生保)
「普通にしゃべれと言いたくなる」(23歳・教育)
女性の嫌悪感はもっと強い。同性の媚びる様子が耐えられないのだろう。44.1%(複数回答)の人が「イラッとする」と答え、2位以下を20ポイント以上引き離している。
「先輩が『~ですぅ』という言葉づかいをしており、お前年上のクセにいつまで妹キャラで通そうとしてるんだよ、とイラッとした」(23歳・食品)
男性の2位は「っていうか」。後輩の男性から言われたのだろう。興味深いのは、この回答者にIT企業勤務の人が多いことだ。
「高校生くらいが使いそうな言葉であるため」(25歳・IT)
「逃げ腰・他人ごとのように聞こえるから」(27歳・IT)
「なめられている感じがする」(28歳・IT)
カジュアルでフラットな人間関係を好むように見えて、実は内心ムカムカきている人が意外と多いのかもしれない。
「なるほど」は目上の人には使わない
女性の2位に入った「なるほどですね」は、男性の上位には入っていない。納得を表すていねいな言葉にも思えるが、必ずしもそう受け取る人ばかりではないようだ。
「偉そうな感じがする」(24歳・教育)
敬語の本によれば、そもそも「なるほど」は相手を評価の対象とする言葉なので、お客や目上の人に使うことは不遜だという。
「なるほど」の代わりになる言葉として、ネット上には「確かにそうですね」「さようでございますか」「ごもっともです」「おっしゃる通りです!」「いかにも!」「目から鱗が落ちました」などを推す声が見られる。
3位以下には「じゃないですか」「~的な」「~みたいな」があがっていた。確かに子どもっぽいとは思うが、上下関係や細かい言い回しに敏感になりすぎて、相手の言うことに耳を傾けなくなるのも大人げないのではないか。