先日、韓国籍の友人と話していて、スマートフォンのアプリの話になりました。韓国でも日本と同様、もっとも人気があるのは無料通話アプリなのだとか。
「ほとんど、と言っていいぐらいの人が『カカオトーク』っていう、韓国で開発された無料通話アプリを使ってますよ。特に、日本に留学などで来ている韓国の女の子は、全員使ってる(笑)」
母国への通話がタダで出来てしまう
カカオトークは、LINEやViberと同じく、アカウントを作らなくて済み、簡単な操作だけですぐに使えます。
「操作の手軽さ、そして何と言っても、母国への通話がタダで出来てしまうところが、女の子に人気がある秘訣でしょうね」
そのほかにも、IDを登録すれば、電話番号を知らなくても、カカオトーク上でメッセンジャー機能などを利用して、コミュニケーションをはかることができます。
その後、韓国から留学に来ている女性と会って訊ねたところ、やはりカカオトークをインストールしていました。
「メールや手紙もいいけど、両親や家族も心配しているし、友達の声を聞くと懐かしく、また安心できます。電話で話す機会は多いですよ。だから、カカオトークは必携アプリですね」
でも、無料ということで、個人の使用履歴やアクセス履歴を提供会社にとられるという不安はないのでしょうか? そう訊いてみると、逆に驚かれました。
「え? そんなことがあるんですか?」
「でも、いいです。広告が出てくるぐらいなら」
実際に行っているかどうかはわかりませんが、営利企業がビジネスとして提供しているからには、何かしら儲けのカラクリがあるはず。パッと思いつくのは、使用履歴から分析されたプロファイルにもとづく広告投下です。
「わぁー、気がつかなかった。たしかに、そうですね。どこかで儲けないと、会社じゃないですもんね」
彼女とその友人の女性は、スマートフォン自体が使用履歴をOS提供会社に送っていたことも知りませんでした。ネット上では大騒ぎになった「CarrierIQ」問題ですが、日本人でも知らない人がまだ結構います。
「そうだったんですか…。でも、いいです。広告が出てくるぐらいなら、無料で通話できた方が便利でいいし、日本にいてGPSが使えないと、はじめて行く場所なんかで不便なことの方が多いですから。割り切って使い続けますよ(笑)」
無料提供のカラクリを知ったうえで、生活上の利便性の方が大きいと割り切って使うのなら、それが最強の使い方です。
ただし、無料アプリの約半分は、悪意のあるものという調査もあります。話題性だけではなく、ネット上のニュースサイトや書店で売られているムックなども参考に、十分注意しながらも前向きにアプリライフを楽しんでください。(井上トシユキ)