「奏人と書いてタクトと読む方がインパクトある」
この意見に対しては、名前そのものよりも、「(子どもの)キラキラネーム」と「親の所得や学歴」に関係があるのでは、という厳しい意見もある。その一方で、逆に出世に有利と主張する人もいる。
子どもを保育園と小学校に通わせる20代前半の母親Oさんによると、キラキラネームの多くは読みにくいかもしれないが、発音はしやすいというのだ。
「キラキラネームは2音や3音が多くて、ちゃんと親が子どもを呼びやすいように考えてるんですよ。乃碧(ノア)や暖音(ノンノ)、奏人(タクト)や望来(ミライ)って、発音しやすいじゃないですか? こっちの方が絶対みんなに可愛がられる。うちのおじいちゃんみたいにヒデノリとか、呼びにくいですよ」
また、人の名前を漢字で覚えることは稀だし、名刺やメールの署名などにはフリガナを振っておけばいいだけなので、読みにくいことはさほど問題にならないという。
「あのー、これまでだって『孝一』はコウイチなのかタカカズなのかとか、迷うことはたくさんあったんじゃないですか? それに比べたら『奏人と書いてタクトと読む』の方が、ずっとインパクトがあって覚えてもらいやすいと思いますけどね」
それなりに説得力のある主張だが、どちらが正しい意見なのか。こればかりは時代が検証してくれるのを待つしかない。