チョコそっくりのスマートフォン、ターゲットは誰なのか?

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   バレンタインデーのプレゼントで、本命の相手にはチョコレートにプラスαするのが当たり前になっているのだそうです。

「チョコレートだけだったら、義理チョコの方がお金がかかってるってケースだって、人によってはあるんですよ。女の戦いを職場でもやっちゃうタイプって、まあ、珍しくないんで(笑)」

   そう話すのは、20代の女性会社員A子さん。それだけに、本命のカレシには(場合によっては高価な)チョコレート以外のアイテムを足して、本気度を見せる、というわけです。

発売はなぜかバレンタインデー当日

チョコレートそっくりな形(ドコモのウェブサイトより)
チョコレートそっくりな形(ドコモのウェブサイトより)

   プラスするのは相手が欲しがっていたもの、たとえば時計や服飾品が一般的だとA子さん。そのプラスαアイテムに、今年はスマートフォン関連のものが目立ったのだとか。

「バレンタイン向けのデコメなんかもありましたけど、今年わりと見聞きしたのが、着けたままスマホを操作できる手袋。商品としては以前からあったみたいなんですけど、ネットショップなんかで安くなってたし、デザインも可愛いものが増えたから、買った人が多かったみたい」

   一見、普通の手袋だけど、指先には通電しやすい素材を使ったものや、指先だけフードのように開閉するタイプのものもあったそうです。

「でも、一番話題になっていたのは、本物のチョコレートみたいなデザインになっているスマホ。ドコモのアンドロイドのやつなんですけど、バレンタインにあわせる感じで発売されてたんです」

   自慢のiPhone4Sで調べてみると、たしかにありました。シャープ製の「Q-pot.Phone SH-04D」という端末です。

「私のまわりでは、これを2月に売り出すってことは、女の子に使わせたいのか、女の子からカレシにプレゼントさせたいのか、どっちなんだろうね、って話題になって。だって、男の子がこれをバレンタインにもらったとして、仕事とかで使いにくくないですか?」

ホワイトデーに男性から買ってもらうのかも

   そう言われてみれば、男性が好んで使うデザインとは言い難い気が…。すると、やはり女性に使ってもらおうとしているのでは?

「だって、女の子がバレンタインにあわせて自分のスマホをチョコレート型のものに買い換えるってのも、なんか変でしょ? 別に2月発売じゃなくても、いつでもいいじゃないですか」

   なるほど…。バレンタインにあわせて売り出しておいて、ホワイトデーに男性から買ってもらおうって、そういうことなのですかねぇ?

「バレンタインデーのお返しで、これをもらったら喜ぶ女の子は、たしかにけっこういると思いますよ。やっぱ、そういうことなのかな」

   Q-pot.Phone SH-04Dは好評らしく、ドコモのサイトによれば、当初限定3万台だったのを5万台に増やしたとか。

   チョコレートかと思ったらスマートフォンだった、という端末を使っているのは、さて男性が多いのか女性が多いのか。ちょっと注目して見てみたいと思っています。

井上トシユキ

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井上トシユキ
1964年、京都市出身。同志社大学文学部卒業(1989)。会社員を経て、1998年よりジャーナリスト、ライター。東海テレビ「ぴーかんテレビ」金曜日コメンテーター。著書は「カネと野望のインターネット10年史 IT革命の裏を紐解く」(扶桑社新書)、「2ちゃんねる宣言 挑発するメディア」(文藝春秋)など。
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