「ネット通販なら何をするか」を想像する
相手の情報が得にくい初期段階では、まずは周辺情報の入手に力を入れることになります。
ターゲットが法人の場合は「業界情報」が重要です。経済動向の業界への影響や、業界全体が抱える課題やトピックスは、可能な範囲でチェックしましょう。今は、ネットでいくらでも情報が取れる時代です。外出先でもスマホなどで入手できるはずなのに、便利なツールを十分活用できている営業は本当に少ないと感じます。
ターゲットが個人の場合には、表札や車のサイズから想定できる家族構成、家の大きさや老朽度合い、近隣住環境などはインプットしておくべきでしょう。ターゲットが店舗の場合も同様です。どんなメニュー構成なのか、どんなスタッフ構成なのか、店づくりのこだわりは何か、店舗は古いか新しいか等々。
個人宅や店舗を訪問するのに、周りに転がっている山のような情報源を全く視界に捉えずに、いきなりインターホンを押したり店のドアを開けたりするのは、愚の骨頂と言っていいでしょう。
情報は収集して終わりではなく、いかに次のステップにつなげるかが大切です。「事前情報」を入手したならば、「もしアマゾンのようなネット通販だったら、これを基にどんな問いかけをするだろうか」と考えてみることです。
さらに、ネットに勝つためには、その弱点の上をいかなくてはなりません。利用した方はお分かりと思いますが、ネット通販は「事前情報収集」から即「提案」に行ってしまう弱点があります。「○○がお好きなようですね」→「ではこれはいかがですか?」と直線的なセールスにならざるを得ないということです。
リアル営業マンが勝ち残るためには、いきなり商品の提案をするのではなく、相手の懐により深く入り込む「カットイン」や「ヒアリング」というステップにつなげ、より有効な提案に結びつけることが必要です。「カットイン」以降のステップは次週整理します。
大関 暁夫