「予備情報」がなければアマゾンに負ける――勝ち残るリアル営業(1)

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「ネット通販なら何をするか」を想像する

   相手の情報が得にくい初期段階では、まずは周辺情報の入手に力を入れることになります。

   ターゲットが法人の場合は「業界情報」が重要です。経済動向の業界への影響や、業界全体が抱える課題やトピックスは、可能な範囲でチェックしましょう。今は、ネットでいくらでも情報が取れる時代です。外出先でもスマホなどで入手できるはずなのに、便利なツールを十分活用できている営業は本当に少ないと感じます。

   ターゲットが個人の場合には、表札や車のサイズから想定できる家族構成、家の大きさや老朽度合い、近隣住環境などはインプットしておくべきでしょう。ターゲットが店舗の場合も同様です。どんなメニュー構成なのか、どんなスタッフ構成なのか、店づくりのこだわりは何か、店舗は古いか新しいか等々。

   個人宅や店舗を訪問するのに、周りに転がっている山のような情報源を全く視界に捉えずに、いきなりインターホンを押したり店のドアを開けたりするのは、愚の骨頂と言っていいでしょう。

   情報は収集して終わりではなく、いかに次のステップにつなげるかが大切です。「事前情報」を入手したならば、「もしアマゾンのようなネット通販だったら、これを基にどんな問いかけをするだろうか」と考えてみることです。

   さらに、ネットに勝つためには、その弱点の上をいかなくてはなりません。利用した方はお分かりと思いますが、ネット通販は「事前情報収集」から即「提案」に行ってしまう弱点があります。「○○がお好きなようですね」→「ではこれはいかがですか?」と直線的なセールスにならざるを得ないということです。

   リアル営業マンが勝ち残るためには、いきなり商品の提案をするのではなく、相手の懐により深く入り込む「カットイン」や「ヒアリング」というステップにつなげ、より有効な提案に結びつけることが必要です。「カットイン」以降のステップは次週整理します。

大関 暁夫

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大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。執筆にあたり若手ビジネスマンを中心に仕事中の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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