別の世界に「素敵なものが待っている」かも
立場を気にしてプレイするくらいなら、別の世界に飛び出した方が面白い。好奇心の高さが、未練を感じさせないのかもしれません。確かに今より別の世界に「もっと素敵なものが待っている」と思えれば、地位や名声には固執しないでしょう。
誰でも勝ち得た立場や名声を失いたくない、と気持ちは湧くものです。それを失う危険に直面すると、防護本能からとんでもない行動に出ることがあります。
例えば、オーナーから解任を告げられた雇われ社長が「会社をつぶしてやる」と経営破たんを招くような投資を行ったとか、既得権と勘違いしていた立場から異動を告げられた社員が「訴えてやる」と大暴れしたような話は、あちこちで耳にします。
それだけに、名声や立場にこだわらず、自分のやり方を貫く小宮山氏の姿勢には、清々しい潔さを感じました。
そういえば橋下徹・大阪市長も、自分に改革ができる理由を「政治家をずっとやろうと思っていないから」とインタビューに答えていました。
「次の選挙を考えたら、有権者に嫌なことはいえない」「今の日本の状況で、国民に好かれることなんか何も言えません」というのは、小宮山氏の潔さに通じるのではないでしょうか。
余談ですが、小宮山氏は現役に未練なく燃え尽きたので、引退後は運動不足で10キロ以上体重が増えてしまったそうです。
高城幸司