「東アジアの若者」との競争なくして現状維持ムリ
また橋下氏は、「明治以来続いてきた社会システムや統治機構」を変えなければ政策が実現できないとし、古い「体制」を強く批判する一方で、日本の若者に対する叱咤激励と受け取れる言葉も飛ばしている。
「東アジア、東南アジアの若者は日本の若者と同じような教育レベル、労働力になってきました。(…)競争で勝たないと無理です」
「やっぱり、今の日本の若者は恵まれている」のコラムには、いまの社会に不満を漏らし、悪いのは上の世代だからどうしようもない、といったコメントも多く見られる。また、若者の中には「生活水準を下げてでも、無理に頑張らない生活の方が個人は幸せになる」という考えも根強い。
橋下氏が大ナタを振るうことで、解消される社会的な悪癖もあるだろう。しかし、彼が考える「この国のかたち」は、若者たちが期待する「ゆるい」ものではなさそうだ。
いまの「豊かさ」を維持するには、相当の汗を流さねばならない――橋下改革が目指す先には、より厳しい「選択」と「競争」があり、社会の中で個人のさらなる「努力」が求められる世の中があるということは、いまから踏まえておいたほうがよいかもしれない。