2011年11月に放映された『ホンマでっか!? TV』(フジテレビ系列)が、勤務先と社内恋愛、結婚の関係について取り上げていました。番組によると、高度成長期に社内結婚が多かったのは、「この会社は成長してるから、ここで男性を捕まえておこう」という女性の策略があったのだとか。
近年は業績不振の会社が多く、社内恋愛が下火になる中で、いまだに盛んに行われている会社もあるようです。数少ない成長企業に勤める20代女性に、そのあたりの話を聞いてみました。
晩飯はコンビニ弁当、友人とも遊びに行けない
29歳のデザイナーMさんの勤め先は、創立4年目のITベンチャー。社員数は約40人、前年比200%を超える売り上げ成長を見せています。先日リリースしたスマートフォンアプリも爆発的なヒットとなり、今月も会社目標の達成は確実です。
他のベンチャーと同様、この会社でもスタッフの数を最小限に絞り込んでいます。各チームにディレクターとデザイナー、エンジニアを配置し、企画から制作、システム構築まで、なんでもチーム内で済ませる徹底した「社内完結型」を採っています。
創業当時はいつも仕事が詰まってパツパツで、毎日遅くまで仕事にかかりきり。遊び時間はおろか、ゆっくり食事を取る時間もないのは女性でも同じです。
「やることが多くて終わりが見えなし、突発的な仕事が入ることもあるので、平日は社外の友人と約束できないんです。なので、毎日夜9時ころにコンビニ弁当を買ってきて、チームのみんなと食べていました。たまに早く仕事が終わると、チームで飲みに行き、遅くまで結構ディープな話をすることもありましたね」
会社に閉じこもって仕事をしていると、社員以外と交流する機会は営業職でもない限りほとんどありません。そうやって毎日同じメンバーと、同じ目標に向かって力を合わせて働くうちに、メンバー間の絆が深まっていったそうです。
「男の人が仕事に燃えてるとキュンとする」
そんな日々を送るうちに、Mさんはチーム内のある男性と仕事帰りに飲みに行くようになり、次第に距離を縮めていきました。創業2年目から付き合い始め、1年半の交際を経て結婚。いまでは別のチームとなりましたが、夫婦で同じ職場で働いています。
「エンジニアの夫は、少し大きめのプロジェクトだと一緒に仕事をすることもあります。つきあっているときよりも業務量はさらに増えて、とにかく人手が足りないんです。いまだに終電で帰るのは珍しくないですよ」
そんな職場では、Mさんがしていたように社内で恋愛する人が目につきます。いまでも5組、10人が恋愛中。全社員のおよそ4人に1人という驚異の割合です。
Mさん夫妻のように女性デザイナーと男性エンジニア、男性ディレクターとして、同じチームで仕事を共にしてから仲を深めていくパターンが多いようです。
「男の人が仕事に燃えて頑張っている姿を見ていると、戦友的な愛おしさがわくというか、女性はキュンとするものなんですよ(笑)」
忙しいけど勢いのあるベンチャー企業で働き、自分の力を試して成功してやろうという優秀で野心を持つ人たちは、生命エネルギーにあふれています。
そういう人たちが職場で力を出し合い、お互いを認め合いながら親しくなっていく。確かにベンチャー企業は、社内恋愛に発展しやすい環境といえるかもしれませんね。
(池田園子)