カードを使って買い物やキャッシングをし、分割払いで支払いをすると、当たり前ですが利息が発生します。でも実は、自分がいくら利息を支払っているのか、しっかり把握できている人って案外少ないのでは――。督促のお仕事をしていると、そんなことをひしひしと感じます。
原因は、利息計算の分かりにくさにあるのかもしれません。小さな文字がぎっしり書かれ、「こんなの誰が読むの?」とツッコミを入れたくなるカードの利用規約。中に書かれている「年利」「実質年率」「○○返済方式」といった言葉。契約したら即捨ててしまう人が大半の規約の中に、知らないとこわい「利息」のお話が書いてあるのです。
年利は返済額でなく、借入残高にかかってくる
私自身カード会社に入社するまでは、利息の計算方法なんてまったく理解していませんでした。
道を歩けばキャッチセールスに引っかかる気弱で暗い女子大生だった私は、高額エステの怪しい勧誘に引っかかって50万円のクレジットを組まされたこともありました(それも、3分の2位通ったところでお店が潰れてしまって…。いま思い返しても悔しい!)。
その時も、自分が月々の分割払いからいくら利息を取られているか、まったく把握しないまま必死にバイトして借金を返していました。そんな私がカード会社に入りたてのころ、先輩にこんな質問をされました。
「50万円借りて、年利は18%。月々の支払額は2万円。1か月の利息はいくら?」
「えっ、ええと…、ひと月2万の支払いだから、2万円×18%で3,600円くらい…」
「バカッ、2万は返済する金額でしょ? 返済額に年利かけてどうすんの!」
「年利」というのは、1年間そのお金を借りていた場合に発生する利息の割合のこと。月々の利息の金額は、「借入額×年利÷365(うるう年の場合は366)×借入日数」という計算方法で算出します。
これは単純に見えて、なかなか面倒な計算です。例えば、先ほどの50万円に18%の年利がかかる場合では、まず1年間の利息を出してから、それを日数で割ります。
50万円(借入額)×18%(年利)=90,000円(1年間の利息)
90,000円÷365日=246円(1日の利息)
この利息246円に、借りている日数を掛け算します。支払いはほとんどが月に1回なので、31日を掛けた数字が1か月の利息になります。
246円(1日の利息)×31日(借り入れ日数)=7,626円(1か月の利息)