「識者」を持ち上げてきたメディアの責任もある
言葉は悪いかもしれないが、あれだけ散々人を批判しておいて、(論者によっては)本まで出しておきながら、いざ面と向き合ったらマトモな対案一つ持ち合わせないような人たちは、はっきりいえば石っころだろう。
そういう石っころを有り難がってひな壇に並べ、電波を垂れ流してきたメディアは、石っころが石っころだと見抜けないほどレベルが低かったというわけだ。
橋下氏は、恐らくそういった構図を理解した上で、確実に勝てるとふんだ相手を四角いジャングルの上で公開処刑しているのだろう。少なくとも現在、氏を批判している論者の中で石っころでない人(政策的に議論できる人)は見当たらないので、氏の無敵状態は当分の間続くはずだ。
テレビ的にもそれはなかなか魅力的なコンテンツに違いない。なにせ、大学教授の肩書の上にふんぞりかえったヒールが、無様に叩きのめされる殺人ショーだから。
ただ、そのヒールを今日まで育ててきたのはメディア自身だ。橋下氏の連勝が続けば続くほど、テレビや週刊誌が辛うじて維持していた報道機関としての権威は、ますます低下し続けるだろう。
城 繁幸