「不景気だから値引き」の営業マンなら生き残れない

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同じモノでも「ここから買いたい」と思わせる方法

   安売りをせずに顧客をつかんでいる例が、家電販売業界にもあります。

   昭和30年代後半から40年代、電気洗濯機や電気冷蔵庫、カラーテレビが初めてわが家に来たとき、すべて同じ商店街の電気屋さんから購入した記憶があります。

   その後は大きく変わって、もっぱら家電量販店。さらに最近では、モノによってはネット通販でも購入します。理由は簡単。どこで買っても同じモノなら、価格のより安いところで買いたいと思うからです。

   ところが、東京・町田市にある「でんかのヤマグチ」は、メーカー販売店を生業とする町の電気屋さんでありながら、東京商工会議所の「勇気ある経営大賞特別賞」を受賞するほど利益率が高く、素晴らしく元気な経営をしているとか。これも野口氏の先の本に出ていたエピソードです。

   同社のしていることは、即日配達・即日修理や、修理期間中の代替家電貸出など「かゆいところに手が届くサービス」。蛍光灯1本から受け付ける取り替えサービスや、海外を含めた全メーカーの修理も行っています。ネットや量販店では、ここまではできません。

   このようにして顧客から支持を得て、価格競争に巻き込まれることなく高い利益率を続けているというのです。ここから学ぶ営業のヒントは、どこで買っても同じモノでも「ここから買いたい」と思わせること。そのために、同業他社がやらない顧客から喜ばれるサービスを徹底して探り出し実現することです。

   物を安く売ることばかりに目を奪われて、見失っている大切なサービスが必ずあるはずです。他社がやらないことにはチャンスがあふれています。多少面倒くさくとも、手を伸ばせばネット時代を生き残る営業ノウハウに出会えると考え、ぜひ足元を見直してもらいたいと思います。

※営業を中心としたお仕事の悩みについて、筆者がお答えします。

大関 暁夫

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大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。執筆にあたり若手ビジネスマンを中心に仕事中の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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