やっぱり、今の日本の若者は恵まれている

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将来がバラ色かどうかは、自分たち次第だ

   世の中には、確かに可哀そうな境遇の人がいる。ひどく貧乏な家庭に生まれたり、その他いろんな苦難を背負っている人がいる。そういう人には大いに同情する。

   でも、自分で自分の境遇に文句を言っても何にもならない。我々にできることは、与えられた運命のなかで最善の人生を全うする努力を続けることしかない。

   戦争の真っただ中に青春時代を送り、ろくに学校に行くことができず、戦災を受け、空腹に耐え、今では想像もできないような苦難を経験した80代の人たちは、若いころきっとこう思っただろう。

「親の世代がバカだったから、戦争に負けて悲惨な状況になった。自分に責任はない」

   その通りだ。その通りだけれども、それをいくら声高に叫んでも事態は好転しない。当時の若者はぐだぐだ文句を言うまえに(言いながらかもしれないが)、一生懸命頑張って戦後の経済成長を実現した。ソニー、京セラ、イトーヨーカ堂など多くの会社はこの世代の人たちが作った。

   幸いなことに年金は制度の問題なので、民主国家の日本ではみんなが合意すればすぐにでも変えることができる。世代間で給付に不公平・不公正があるというのであれば、改正案を出せばよい。高齢者の反対で否決されるかもしれないが、何もしないで文句を言っていてもはじまらない。

   いまの若者が年金世代になるまでには、今の高齢者は残らずいなくなり、自分たちの世代がこの国を好きなようにリードできる時代となる。国がどんどん発展していけば年金問題などどっかへ行ってしまうだろう。若者にはチャンスがいくらでもある。バラ色の将来が来るかどうか、それは君たち次第だ。


小田切 尚登

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小田切尚登
経済アナリスト。明治大学グローバル研究大学院兼任講師。バンク・オブ・アメリカ、BNPパリバ等の外資系金融機関で株式アナリスト、投資銀行部門などを歴任した。近著に『欧米沈没』(マイナビ新書)
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