大胆予測! ベンチャー企業が再び躍進する年になる

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カリスマ経営を脱し「仕組み化」できるか

   確かにここ数年間、株式を新規公開する企業は激減しました。株価が低迷する一方、上場維持のコストもかかるので「株式公開が企業経営に足かせになっている」と嘆く経営者も少なくありません。

   とはいえ、ベンチャー企業が日本経済全体と同じような低成長を続けていれば、国内外の競合に先を越されたり、有能な人材に逃げられたりするおそれもあります。

   やはりベンチャー企業には、ある程度の急成長によって、頭ひとつ抜け出すことが求められるのです。

   特にネット系企業はユーザー数等が停滞していれば他のサービスに駆逐される厳しい世界。生き残るために事業投資を行い、類似企業の一群から抜ける必要を迫られます。そのためにも、大企業との連携は効果的です。

   リーマン・ショックや震災で、株式公開を断念したベンチャーは少なくありませんが、実力を蓄え満を持して市場に登場する企業が現れるタイミングになってきたといえるでしょう。

   最後に、こうしたベンチャー企業が株式公開して大企業と連携できるポイントは、どこにあるのでしょうか。それは「仕組み化」にかかっています。

   これまで数多くみてきたベンチャー企業において、社長ひとりのアイデアやカリスマ性だけで牽引する企業の成長は知れたものでした。そうではなく、現場でしっかり仕事が回る構造ができていることが重要です。

   一定の人材を確保できて事業が成長できる土壌があれば、資本や大企業との連携で急成長の可能性が高まります。今年の展開に注目したいところです。

高城幸司

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高城幸司(たかぎ・こうじ)
1964年生まれ。リクルートに入社し、通信・ネット関連の営業で6年間トップセールス賞を受賞。その後、日本初の独立起業専門誌「アントレ」を創刊、編集長を務める。2005年に「マネジメント強化を支援する企業」セレブレインの代表取締役社長に就任。近著に『ダメ部下を再生させる上司の技術』(マガジンハウス)、『稼げる人、稼げない人』(PHP新書)。
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