上司のコーヒーカップに殺虫スプレー 55歳消防士停職

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   長崎県対馬市の消防本部は、職場の秩序を乱したとして、2012年1月17日付けで55歳の男性職員を停職1か月の懲戒処分とした。上司である出張所長のコーヒーカップに殺虫スプレーを吹きつける嫌がらせを、3週間に計8回行ったという。

   上司はコーヒーを注いだ際にカップに油のようなものが浮いているのに気づき、いずれも飲むには至らなかった。発覚は内部調査によるもので、職員は「勤務について(上司と)意見の食い違いがあった」と話しているという。

逃げ場のない出張所で追い詰められたのか

自動販売機の方が安全なのかも
自動販売機の方が安全なのかも

   上司に叱られた腹いせに飲み物に異物を入れる話は、給湯室におけるOLの「ジョーク」「都市伝説」として存在していたが、中には実行に移してしまう人もいるようだ。

   ネット上でも「バレずに成功した人はいくらでもいるんだろう」「(上司ともなれば)偉そうに茶なんか要求すれば必ず異物が入るもんさ」といったコメントが見られる。

   2010年には千葉県香取市で、33歳の女性市職員が59歳の上司のコーヒーに抗うつ剤を混ぜる事件が起こっている。上司はこのコーヒーを飲み、歩行困難の末に体調不良で休職。職員は傷害容疑で書類送検されている。

   ある程度の規模のオフィスでは、コーヒーの自動販売機が設置されているところもあるが、結果的に異物混入のリスク低減が図られていることになる。

   対馬と香取の事件に共通するのは、いずれも公務員であることと、本部・本庁ではない小さな組織で起こっていること。対馬の場合は消防本部の出張所、香取の場合は市役所出先の施設で事件が起こっている。

   民間企業で同じようなことが発覚すれば、解雇は必至なので表ざたになりにくいのか。転職先も乏しい地方において、逃げ場のない職場内で人間関係のいさかいが起こると、追い詰められた人が爆発してしまうパターンがあるのかもしれない。

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