レコメンドを超える「意欲を顕在化させる営業」
こういった提案は気が利いているようにも見えますが、一方的なティーチング営業の一種であることには変わりがありません。
さらにいえば、この手の方法はネットが非常に得意としているところです。アマゾンなどで買い物をしていると「これを購入した人は××も購入しています」という表示されるアレと同じです。
ネットの場合は、購入履歴や閲覧履歴などを解析して教えてくれるのですから、当てずっぽに「これ必要でしょ?」「これ売れてますから」と押し売りする営業マンよりもよほど優れているわけで、これでは勝ち目はありません。
一方、「コーチング」営業は、双方向コミュニケーションによって、クライアントが抱える問題と解決方法を引き出すことを基本としています。
ポイントは「気づきを与える」点にあります。表立って意識していない必要性や購買意欲を顕在化させるためには、お客さまとの対話が効果的。ネット販売は、まさにこの売り方が弱点なのです。
ではどのように、このやり方で潜在ニーズを引き出すのか。あるメーカーの購買担当がこんな話をしてくれました。
「『御用聞き営業』と『お役立ち営業』の一番の違いは、雑談の中身の差ですね」