「嫌われ仕事」はブルーオーシャン! 実はおトクなことばかり

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仕事を続けているだけで認められる世界がある!

   Aちゃんは美人で頭もよく、男性社員の人気もあったし、回収の成績も私の倍くらいありました。それなのに…。そこから堰を切ったように、同期や同僚が会社を辞めていきました。突然会社に来られなくなり、退社の手続きすらしないまま、いなくなってしまった人もいました。

   人が減って風通しの良くなったコールセンターで、ある日私は成績表を見上げました。

「え、上がってる…」

   仕事ができる人が辞めた結果、皮肉にも私の回収成績はどんどん上がっていったのです。

   仕事を続けているというだけで、上司にも評価されるようになりました。我ながら「なんてハードルが低いんだ」と思いますが、生まれて初めて仕事を誉められた私は、嬉しくて眼がしらが熱くなりました。

「誰もやりたがらないから、みんな辞めていってしまう。仕事を続けているという、ただそれだけで認められる、評価される世界があるんだ」

   督促をしていると言うと、「大変だね」「よくできるね」と言ってもらうことがあるのですが、いまでは「こんなにブルーオーシャンで(競争者が少なくて)おトクな世界もないなあ」と半ば本気で思えるようになっています。

   他に働き口のある頭のいい人は、みんな辞めていってしまうし、あえてこの仕事を選んで参入してくる優秀な人も少ない。コツをつかめば長く働けるし、転職もできる。機械に置き換えられる仕事でもない。ほめてくれたり、面白がって本に取り上げてくれる人もたまにいる。

   そう考えると「嫌われ仕事」は、実はとてもおいしいお仕事なのではないでしょうか。督促の他にも、そんな仕事がどこかに隠れているのかもしれません。

N本(えぬもと)

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債権回収OL・N本(えぬもと)
某金融機関で債権回収部門に所属する20代OL。コールセンターで支払延滞顧客への督促を担当している。入社半年で3億円の回収を達成して頭角を現し、10万件の顧客を担当する精鋭チームに最年少で配属された実績を持つ。他人に強く言えない気弱な性格を逆手にとり、独自の「交渉メソッド」を開発。300人のオペレーターを指導しながら、年間2000億円の債権回収に奮闘している。好きなものは、ビールとスイカ。ブログ「督促(トクソク)OLの回収4コマブログ」。(本コラムは当事者のプライバシー保護のため、一部事実と変えている点があります。)
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