プロフェッショナルは「ファクトの前では平等である」

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「みんなが言っていること」が正しいとは限らない

   クライアントにとって最善を尽くすためには、正しいか正しくないか、内容そのものを吟味していくことが、「プロフェッショナル」の前提条件のように、僕は思っている。

   特にコンサルティングの現場は、大企業の組織の中である。いろいろな思惑が犇めきあっている。課題を見極める、そのときから組織内のポリティクスにひきづられては、正しい答えに辿り着くことはできない。

   クライアント内部には、自分を守るために、ニュアンスを変えたり、事実とあえて違うことを伝えてきたりする人だっている。もちろん、それはどんなにシニアな人であっても、トップであっても、そういうことはしないと言い切ることはできない。

   それに、みんなが言っていることが正しい、ということほど疑わしいことはない。みんなが責任をとらないですむように、そう言っているだけかもしれない。

   だから、何ら根拠もないのに、偉い人の意見に合わせてご機嫌をとったり、みんながそう言っているのだからと鵜呑みにしてみたりしてはいけないのだ。ポリティクスを考えるのは、あるべき答えをみつけ、組織をどう誘導すべきか考え始めるときからだ。

大庫 直樹

大庫直樹(おおご・なおき)
1962年東京生まれ。東京大学理学部数学科卒。20年間にわたりマッキンゼーでコンサルティングに従事。東京、ストックホルム、ソウル・オフィスに所属。99年からはパートナーとして銀行からノンバンクまであらゆる業態の金融機関の経営改革に携わる。2005年GEに転じ、08年独立しルートエフを設立、代表取締役(現職)。09~11年大阪府特別参与、11年よりプライスウォーターハウスクーパース常務執行役員(現職)。著書に『あしたのための「銀行学」入門』 (PHPビジネス新書)、『あした ゆたかに なあれ―パパの休日の経済学』(世界文化社)など。
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