高価な海苔でも支払いの代わりにならない
確かに、どんなに貴重なもの、価値のあるものでも、私たちは換金する術を持たないので、お送りいただいたものはすべて返送するしかありません。
高級そうな海苔やお茶、昆布といったものを送っていただいた経験があります。商品として加工されているモノもあれば、むき身のままのモノもありましたが、どれも「支払えなくて申し訳ない」という気持ちが伝わって来ました。ただ、こちらとしては送り返す送料の分、経費的にマイナスなんですが…。
お客さまからモノではなくお手紙をいただくこともあります。ハガキ一枚に「○月×日に払います」とだけ書いてあるものから、
「何これ、本!?」
と思うくらいに、延々とワープロで綴ったお手紙をいただいたこともあります。どうして自分が支払えなくなったのか、世の中の無情、政治の責任について、などなど…。
「はい、これ、内容全部パソコンに記録しといてね」。バサリ、と目の前に大小様々な手紙の束が置かれました。郵送物は基本的に中身を全て確認し、パソコンに記録を残さなければいけないのです。
それから、お手紙だけでは支払いを猶予することはできないので、確認のためにすべてお電話をかけなければなりません。キャベツのお客さまにも、お電話で事情を話して再度督促したのですが、やはり心が痛みました。
贈り物をいただくたびに、支払いが遅れて申し訳ないというお心はありがたいと思いつつ、「モノでは困ります」と説明せざるをえないのです。ぜひ皆さんにもご理解いただきたいと思います。
N本(えぬもと)