「お前の会社に爆弾を送った…」 コールセンターへの不思議な「贈り物」

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高価な海苔でも支払いの代わりにならない

   確かに、どんなに貴重なもの、価値のあるものでも、私たちは換金する術を持たないので、お送りいただいたものはすべて返送するしかありません。

   高級そうな海苔やお茶、昆布といったものを送っていただいた経験があります。商品として加工されているモノもあれば、むき身のままのモノもありましたが、どれも「支払えなくて申し訳ない」という気持ちが伝わって来ました。ただ、こちらとしては送り返す送料の分、経費的にマイナスなんですが…。

   お客さまからモノではなくお手紙をいただくこともあります。ハガキ一枚に「○月×日に払います」とだけ書いてあるものから、

「何これ、本!?」

と思うくらいに、延々とワープロで綴ったお手紙をいただいたこともあります。どうして自分が支払えなくなったのか、世の中の無情、政治の責任について、などなど…。

   「はい、これ、内容全部パソコンに記録しといてね」。バサリ、と目の前に大小様々な手紙の束が置かれました。郵送物は基本的に中身を全て確認し、パソコンに記録を残さなければいけないのです。

   それから、お手紙だけでは支払いを猶予することはできないので、確認のためにすべてお電話をかけなければなりません。キャベツのお客さまにも、お電話で事情を話して再度督促したのですが、やはり心が痛みました。

   贈り物をいただくたびに、支払いが遅れて申し訳ないというお心はありがたいと思いつつ、「モノでは困ります」と説明せざるをえないのです。ぜひ皆さんにもご理解いただきたいと思います。

N本(えぬもと)

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債権回収OL・N本(えぬもと)
某金融機関で債権回収部門に所属する20代OL。コールセンターで支払延滞顧客への督促を担当している。入社半年で3億円の回収を達成して頭角を現し、10万件の顧客を担当する精鋭チームに最年少で配属された実績を持つ。他人に強く言えない気弱な性格を逆手にとり、独自の「交渉メソッド」を開発。300人のオペレーターを指導しながら、年間2000億円の債権回収に奮闘している。好きなものは、ビールとスイカ。ブログ「督促(トクソク)OLの回収4コマブログ」。(本コラムは当事者のプライバシー保護のため、一部事実と変えている点があります。)
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