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見えない購買意欲を開拓できる営業マンはモテる

   ネット販売を利用する購買者は、自分自身が何を欲しいのかある程度はっきりしている上に、購買意欲も高いという特徴があります。購買者のニーズありきでスタートするチャネルで、そもそも購買意欲のある人たちがメインターゲットとなります。

   逆に言えば、ニーズのない相手(正確にはニーズに気がついていない相手)には販売がしにくいのが、ネット販売の限界です。すなわち、購買意欲を開拓して販売実績につなげる部分は弱い訳です。

   しかしながら低成長時代の今、企業は営業活動以前から購買意欲を持っている人だけを相手にした「ニーズありきの商売」だけでは、とても成長戦略を描くことはできません。

   ですから、事前に購買意欲を持った相手にしか商売ができない営業マンは、次第にネット通販へ置き換わっていくのに対して、見えない購買意欲を開拓して実績を積み上げる営業マンは高い人件費を払ってでも欲しい、となるのです。

   では、いかにして見えない購買意欲を開拓するのか。これは優秀成績を収めた多くの営業マンが口を揃えるコツ、「とにかく聞き出すこと」に尽きるでしょう。

「ティーチング」ではなく「コーチング」を意識する

   彼らが事あるごとに話してくれる「聞き出す」ためのポイントは、売り手の論理でまくしたてたり、相手を誘導尋問的に取り込もうとするやり方では絶対にダメ、ということ。とりあえず、この点は押さえておきたいところです。

   この話は「コーチング」と「ティーチング」の関係にも似ています。営業におけるティーチング的やり方では、「あなたにはこういうニーズがあるんじゃない?」とか「あなたの欲しいモノはこれじゃない?」と相手に教える話の持っていき方となります。

   一方、コーチング的やり方では、教えることは一切せず、テーマに関して様々な質問を投げながら、相手に「自由に話をさせる」ことで、ニーズや欲しい商品の存在に気づかせるのです。

   「話をさせる」ことで購買意欲を開拓する、これこそがインターネット販売の限界を埋め合わせる存在として現在求められる「人的営業」であるのです。

   各業界とも不況対応下で一層のコスト削減、営業人員の大幅カットも予想されるところです。インターネットへの代替可能な営業マンとして切られるか、必要な営業マンとして渇望感をもって迎えられ、これまで以上に厚遇されるかは、あなたが見えない購買意欲を開拓できる営業マンになれるか否かにかかっているのではないかと思います。

※営業を中心としたお仕事の悩みについて、筆者がお答えします。

大関 暁夫

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大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。執筆にあたり若手ビジネスマンを中心に仕事中の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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