企業は「ネットの風評」をどこまで有効活用できるか

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「改善を実行に移す段階の方が大事」

   製品開発競争が激しくなると、当然ながら納期が前倒しになる。Aさんは憶測としながらも、これだけ「問題商品」が出るのは、不具合の検証や修正が十分になされないまま、市場に出されているからではないか、と言う。

「うちの会社でもそうですけど、現場の人手不足とか、人材教育が追いついていないとか、そういう問題が起こっているとしか思えないですよね。現場の人たちは『こんなもの売り出していいのか?知らないぞ俺は!』と修羅場になっているんじゃないですか」

   新製品の問題だけではない。ある口コミサイトでは、1年半ほど前に売り出された某大手メーカー製の携帯電話が「電池のモチが極端に悪くて使えない」と書き込まれているケースがあるそうだ。

「ほぼすべての人が『買わなきゃよかった』と言っているのに、修理でも機種交換でも状況は変わらない。機種変更しようにも、キャリアとの2年縛り契約があってダメ。この機種を買った人は、間違いなく次は他のメーカーの機種を買いますよ」

   買い替えを検討していた人が書き込みを見て、「この会社の機種はやめておこう」と判断する人があったかもしれない。メーカーが改善対応できず、不具合を放置したままにしている理由は分からないが、いくら「風評」を集めても、それを改善に移すしくみが弱ければどうしようもない。分析ソフトばかりに気をとられてはいけないようだ。

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