2011年に選任された上場企業の新任取締役・執行役に尋ねたところ、「有能な人材であれば、日本企業のトップに外国人を積極的に登用・招聘すべきだ」と答えた人が71.2%にのぼったという。99年の54.8%、05年の56.1%から大きく伸びた。
一方、「日本企業は日本人によりトップマネジメントを形成すべきで、外国人登用・招聘に反対する」と答えた人は19.2%。99年の31.0%と比べると10ポイント以上減っているが、05年の20.1%とは同水準。2割程度の「根強い反対派」がいるようだ。
一方で「自分がトップになりたい」2割超と倍増
調査は日本能率協会グループが、11年1月~6月に就任した新任役員を対象に実施。有効回答数は229件、回答者の平均年齢は55.05歳だった。
トップは外国から連れてきてもいいのであれば、意欲に乏しい人ばかりかと思いきや、そんなことはない。「社長まで昇りたい」と答えた人は、前回2010年の調査で10.3%だったのに対し、今回は20.5%と倍増。「常務まで」と答えた人は、前回の25.0%から12.7%に半減している。
現在の心境について「新たな可能性への挑戦に胸弾む思いである」と答えた人は54.6%と半数を超え、前回(40.9%)から13.7ポイントも増加。役員会の一員としての心構えも「自分の考え・意見を主張していきたい」とした人が72.5%となった(前回59.5%)。
また、「自分には会社変革の気概がある」と答えた人は65.5%、およそ3人に2人にのぼっている。ただし、「どちらかといえば気概がある」と答えた人も29.7%いた。「気概」とは、困難にくじけない強い意志を指す言葉であり、「どちらかといえば~」と頼りない答えをしている時点で、あまり期待できそうにない。
自分以外の役員に「会社変革の気概」を感じると答えた人は33.6%で、3人に1人にとどまる。先輩役員に期待を抱いている人は少数のようだ。
異様なほど意欲を燃やしているように思える新任役員だが、その理由は何なのか。調査元では事情は各社によって違うだろうとしつつ、次のように推測する。
「新しい役職を命じられた人は、総じて強い思いを抱いているものでしょう。また、厳しい事業環境の中で、社長から経営課題を解決して欲しいと大きな期待をかけられている役員が多いのかもしれません」